2009年10月30日
名人円楽

チャンチキチャンチキトントントンデーン
(深々とお辞儀をし)「名人円楽です」
落語の噺にはめでたい噺も多くございますが、どちらかと申しますと「おめでたい」
噺が多くございまして、これは祝うおめでたさではありませんで、人がおめでたいと
言う。「お前ぇはおめでたいねぇ」なんて男が出てまいります。
逆におめでたくない方の噺、お弔いの噺が意外と多ございまして「らくだ」なんて噺
は人に嫌われておりました無法者の通称”らくだ”が死んだところに兄貴分がやって
きましてとむらいを出させようとする。
もとより金はありませんから大家に出させようと、死人のらくだに”かんかんのう”を
踊らせると脅しましてとむらいの料理から酒まで用意させるなんて、落語は死人ま
で笑いのネタにしております。
ええー私も今日あの世に参りましたことから、弟子の楽太郎が私の後を継ぐわけ
ですが、できれば”かんかんのう”でも踊って席に出たいものでございますね。
平成になりまして落語も”名人”なんて言われる者も少なくなりまして、先だっては
名人小三治さんが勲章を受けまして名人の裏打ちまでいただきました。
私は面倒をかけさせないよってわけで人に呼ばれる前に自ら言っておりましたから
話が早いわけでございます。
噺家で生涯を終えましたが、思い残すものと言えば歌丸さんに譲りました笑点で
ございますが、これも歌丸さんが復帰するという朗報を聞いております。
思えば死ぬっていうことも考えれば目出度いわけで、向こうに参りますと名人上手
がズラリとおりまして、みんな蓮の葉を座布団に噺をしております。
これもいいですな、もう一度私も師匠の噺を聞きまして、同じ席に出られるというも
のでございます。
さてお時間もよろしいようで
私の跡は楽太郎が円楽を襲名しまして継いでまいります。
来年の盆には帰ってまいりますが、早く帰ってこいなんてウマを作らずとも、ウマ面
でございまして自ら走って帰ってこようなんて思っております。
円楽を譲って次には何になる?、「はい、星の王子様」に戻ります。
それでは今日の昇天はこれまで、ご機嫌よう。
※円楽師匠のご冥福をお祈りいたします。
2009年10月14日
気配

朝の番組でコメンテーターをつとめていたカメラマンの浅井慎平さんが言う。
「妖怪とかはね、気配のことで今は世の中が明るくなりすぎて妖怪が棲め
なくなってしまったんですよ」
岩手県二戸の座敷わらしが出る旅館緑風荘全焼のニュースへのコメント
でしたが、浅井さんをして気配の経験がありそこには古くから何かが棲ん
でいることを肯定していた。
カメラのファインダー越しに小さな視角からものを覗く仕事は気配を感じ易
い、液晶を見ながらアングルを決めるのと違い、ファインダーを覗くカメラは
小さな視角の世界は死角に広い世界を感じているのです。
気配はわずかな四角の外にあります。
それが森の中ならば余計に感じるのです。 草を踏む足音だけの世界に
水が止まり、溜まり水の中に何かを感じている。
撮った写真の中に感じた何かが納まりませんようにと写真を撮るのです。
人の目はカメラなど及びもつかぬほど広角に景色をとらえますが、ファイ
ンダーを覗いた途端にカメラマンは極端に狭角の世界に入ってしまう。
気配は迫れども見えないものが迫っても気づくことがないのです。
カメラマンは覚ります。ピンポイントでフォーカスした被写体の外側にあま
りにも広いのです。
花の先に忙しげに蜜蜂がやってきます。ハニービーたちはせわしく花の
群れの中に次々に潜り込んで移動する。
ハニーな幸せの仕事をフォーカスしては撮っている。
そして次の瞬間にハニービーはファインダー外から現れたカマキリの腕
の中でもがいていた。
広くまわりを見て気配を感じていれば逃げられたものをとカメラマンは花
から離れます。残虐な肉食は見ることを避けるのです。
カメラマンは昔話を思い出します。
足元に小さなミミズが這っています。すると小さな蛙が出てきてミミズを
パクリと食べてしまいました。
満足そうな蛙が跳ねようとすると、草の間からヘビが出てきて蛙をひと
呑みしてします。 ヘビがするすると草の間を這っていくと狙っていたイタ
チがヘビを襲います。
しめたイタチだと毛皮を狙う猟師が鉄砲を構えます。
いざ撃たんとした瞬間に猟師は後ろに気配を感じて振り返ると狙いもし
ないで鉄砲を放ちます。
ドサリと倒れたのは一つ目の人食い入道だったのでした。
ファインダーの中に一瞬現れたカマキリは獰猛な三角な頭でハニービー
を噛み砕いています。
カマキリのいる花の後ろのサラサラ草が揺れて何かが隠れているよう
です。
カメラマンは後ろを振り返れなくなりました。気配がするのです。
ファインダーの四角の中に夢中になっているうちに何かが近づいている
のです。
水はしずまります。木々の陰は濃くなっています。
気配を感じているカメラマンがそこに立っています。
ファインダーから目を離すと自分のものではない陰がひとつ増えている
ことに気づくのです。
水がポーンと水輪をつくりました。
再び森は静かになりました。
2009年10月10日
前略おふくろ様

18歳で上京すると一本のドラマを楽しみに見ていた。
修行に行った店はオヤジさん、女将さんに若大将のまあちゃんが24歳、番頭格
のヒデちゃんが23歳、ひとつ兄貴分の明彦ちゃんがいて、一緒に入ったアキヨシ
君と僕との7人の店になっていた。
18歳の青年はまだどう生きていってよいのかがわからない、ヒデちゃんだけは
出来ちゃった婚していたけれどまだまだ青いものばかりで働いていたのです。
「こら!また新宿で踊っていたんだろう」
「あいやぁ・・そんなことないっすよ」 「朝帰りだったな」 「あいやぁ・・これもつき
あいっすから」
受け答えは全て当時放映されていた「前略おふくろ様」そのもので、実際に故郷
の浜松からは母からの手紙が届くわけで、すっかり主人公のサブちゃんになり
きっておりました(店にサブちゃんと同様に地方から若い衆が入るのははじめて
でしたから)
「オヤジさん」「女将さん」と下町では呼び、明彦ちゃんから下は「若い衆(わかい
し」と呼ばれる、店は浅草の対岸向島にあり、近所には料亭が並び修行の若い
衆や芸者さん半玉さんなどがたくさん住んでおりました。
(向島は落語などでもおなじみ、江戸時代には商家の寮という別宅や花柳界の
粋筋なみなさんが多く住んでいるところです)
サブちゃんが男が男に彫れた秀さん役は若大将のまあちゃん、その片腕役(小
松政夫さん)はヒデちゃんとなりますから、オヤジさん女将さんもいますからまる
でドラマを地でいったような生活がありました。
何か言われれば「あいやぁ・・・ っすよ」で答えましたが、近所にはドラマ
同様に料亭で修行する若い衆がいて、料亭の勝手口の外に座り、芋をひたすら
剥くようなことをよくやらせらていました。
「うまくなったかい」と聞けば「あいやぁ・・・まだまだっすよ」と答える。
下町に住む若い衆はみな萩原健一のサブちゃんになりきっていたのでした。
ヒロインはサブちゃんの恋人役のかすみちゃん(坂口良子さん)でしたが、残念
ながら若い衆の誰にもそんな子は現れず、「あいやぁー・・・あいやぁー」とばかり
言って暮しておりました。
まじめに修行しておりますと斜め前の家の旦那がどうだどうだと飲みついでに
娘を売り込んでいたようでしたが、ゴボウ娘と呼ばれていた子もそんな気はない
ようでしたし、あきちゃんが並びの建具屋の娘に惚れてセリカを買い、ドライブに
誘いに行って一発で断られてくるなど、ドラマのような恋はなかったのであります。
今はその町に新東京タワーが建ちはじめているそうです。
米屋のおじさんに誘われて通った銭湯の向かいの場所になります。
今度また訪ねてみたいものです。
「あいやぁ・・変わったっすね」
サブではなくイチローは合いも変わらずあの頃と変わらないようであります。
前略女将さん、お亡くなりになった翌日に伺いました。オヤジさんはちっとも変わ
っていませんでしたがイチローちゃんイチローちゃんと可愛がってくれたあなたはい
ませんでした。
女将さんに鍛えられて魚も大好きになりました。今も不器用に生きています。
あいやぁー・・商売は下手なままですが教え通り親を大切にしています。
あいやぁ・・・女将さんに会いたくなりました。 また手紙書きます。下手な字です
がすみません。
2009年10月10日
かくれんぼう

目に見えない恐怖が迫るような時に怖さは増幅する。
なにげなく歩いているうちにいつの間にか誰もいないことに気づくことがあり
ます。
明るい神社の境内で遊んでいたつもりが、かくれんぼをしているうちに境内
の暗い裏にいてその縁の下が破れ真っ暗な穴を見つけ、覗きこもうとすると
暗い向こうから覗かれているような気がして「ぶるっ」と怖くなる。
足元は枯れ葉がカサコソと積もり荒れた細葉垣は蜘蛛の巣ものすごくかかり
気づけば枯れ葉の中から苔むした古い石がのぞいている。
境内の奥は普段でも怖くて行かなかったはずなのに「ドキンドキン」と心臓の
音がわかるほど静まり返っているのです。
「ギッ」と高く暗い枝から鳥が飛び立つ音が一人ぼっちで隠れている僕を驚
かせます。腐って落ちた板が苔むし「朽ちている」ことに気づきます。
小さな虫、足ばかり長い蒸し、おびただしい足をざわめかせるヤスデがその
裏から這い出しています。
心臓の音に音も立てずに歩く黒い虫だけの世界で小さくなって隠れているの
です。開いたところを見たことがないお宮の裏の戸は傾き隙間をつくっていま
す。その中の真っ暗に見つめられて動けないでいるのです。
知らない虫たちは枯れ葉の中を這い回り、高い木の枝の真っ暗な天蓋に覆
われた空は暗くなってきたように思うのです。
大きくて足の長い蚊が葉に何匹もとまっているのを見つけます。
足でかきわけてしまった枯れ葉の下に真っ黒な土が見えています。
何人もいたはずなのに友達は怖い境内の裏には来ないのです。
「お宮の裏は怖いから行ってはいけません」そんなことを言われたことを思い
出し悔やみはじめますが薄暗くカビ臭い中で動けないでいるのです。
落ち葉を山に集めたところがあります。誰がそんなことをしたのか墓のように
枝が刺さっていることに気づきます。
黒い土の臭いがわいてくるのに目をつぶったらもっと怖くなりそうで見開いて
いるのです。
「あっ みいつけた」
後ろからドンと背をつかれて我にかえると鬼になった友達のズックが見えま
した。
「ああー怖かった」
腰が砕けそうに固まった体を伸ばして友達について歩きます。
「見つけちゃった」
ズックの友達は振り返ると口が裂けた鬼になっていました。
「見つけちゃった 見つけちゃった 見つけちゃった」という声に虫たちがゲゲ
ゲッと唱和しました。 お宮はとっぷりと暮れていきました。
2009年08月13日
薮入り

落語の世界は面白い話ばかりかというと、さにあらず人情話では親子の情や
夫婦の情などを聴くことができます。
昨晩久しぶりに「薮入り」を聴くことができました。
薮入り(やぶいり)と言うのは奉公人が盆と正月に主人からいただくお休み
のことでありまして、現在と違い奉公人は主人を親とも思い、主人は子とも
思って育てます。 小さな頃から奉公に出されますが、厳しくしつけられてこ
そ商売を覚え、人としても一人前になるというものでありました。
夫婦二人が幼い息子を奉公に出し三年、その間は家には一度も帰りません。
盆と正月も店におりますのは、一年二年の間に家に帰れば「里ごころ」がつ
きましてせっかく奉公でしつけたものが台無しになりますから、初めて帰ること
ができますのが三年目となります。
そんな息子が三年ぶりに薮入りで帰ってくるのを待つ親心を語るのが「薮入り
」であります。
親というものはたとえ一日だけでも帰ってくる息子にうまいものを食わせ、ああ
もしてやろう、こうもしてやろうと思うものであります。
子供は照れながらも「ありがたいな」と親の心に感謝します。
しかしそんなことがはっきりとわかるのも子が親の歳になってからであります。
昨日久々に聴きながら、そうだったそうだったと若き日のことを思い出しました。
ある夏、東京から戻った自分を見て母が悲鳴をあげた。
「サンダルで帰ってきた!」
当時はサーフィンファッション流行の頃、その夏は細かい花柄シャツにハーフ
パンツ、ビーチサンダルの”最新ファッション”で息子は帰ったのでありました。
母は靴も買えないのだと息子を気遣い、ご馳走の並んだ食卓で顔を曇らせた
のでした。
お盆となり、息子さん娘さんが帰ってこられたお宅も多いかと思います。
またお盆で帰省された方も多いことかと思います。
親ならば子を思わぬ時はなく、子はその時にはまだありがたさが分からない
ものであります。
その子もやがて親の歳となり「薮入り」を聴いて涙を流す。
親のありがたさを知るのに今しばらく時間がかかるようでございます。
2009年08月12日
オープン・セサミ

「アラビアンナイト、アラビアンナイト〜」という歌を覚えている。
きっと子供の頃にどこかで聴いたのだと思うのだけれど覚えていない。
むかしむかし、まだセキュリティなんて言葉も知らない頃から、秘密の
ドアを開ける暗号は「ひらけゴマ!」に決まっていましたね。
むかしむかしの物語、アラビアンナイト(千夜一夜物語)の中のお話の
一つ「アリババと40人の盗賊」に出てくるお話です。
子供の頃に呼んで「ひらけゴマ!」を知っていましたが、それと別に
こを英語で言う時に「Open sesame!(オープン セサミ!」と言うこと
も知りました。
それがどうしたことでしょう、同じ言葉なのに意味も考えてみなかった
のに今日になって「sesame」って何?と思いついたのです。
言葉なんてそんなもので、どこかで不思議と思わなければ調べても
見ないのです。
そして予想どおり、sesameとは「ゴマ」のことでした。
つまり Open sesame!という言葉を訳した時に「ひらけゴマ!」という
誰でも知っている暗号呪文になったのですね。
sesame(セサミ)と言う言葉は後にアメリカの人気番組「Sesami str
eet」でも使われます。
Wikiで調べるとこうあります。
「宝物が隠されている洞窟が『開けゴマ』の呪文によって開いたように
この番組によって子供たちに新しい世界や知識の扉をひらいてほしい」
という願いが込められている」
のだそうです。
アリババの「ババ」とはお父さんのこと、アリお父さんの活躍するお話
なのですね。
知識の扉を開くのも不思議だなと思う呪文が必要です。
これからは時分の心に「Open sesame!」と唱えてみましょう。
2009年08月12日
三助の背中

もとより落語の世界が好きでありまして、落語を聴いたり読んだりしており
ますとその世界の風俗に興味を持ちます。
風俗と申しましても昨今言う風俗ではありませんで、世の中の暮らしぶり
という意味でございます。
親父が本をたくさん持っておりますので、その棚から「明治大正風俗語典」
という本を持ち出しまして読んでおります。
古い時代の言葉からその頃の風俗を紹介する本でございまして興味深く
読んでおります。
その中に「三助」が出てまいります。 明治頃までは多かった職業で主に
銭湯で客の背を流すということで知られておりますが、名前どおりにこの
三助は「釜焚き」「湯加減の調整」「番台業務」の「三」つの役を「助」ける湯
屋の従業員でありました。
私、若い頃は浅草の隅田川をはさんだ向こう岸の向島というところで修行
をしておりましたが、サウナが好きで浅草のサウナまで出かけることがあ
りました。
そのサウナに三助さんがいたんです。
明治の頃の三助さんは背中を流してお金をもらっていたそうですが、浅草
のサウナの三助さんは客が入ってくると背中にとりつきます。
垢すりのようなもので背中をザッと流してくれますから気持ちがいい。
若い時分ですので恥ずかしいような申し訳ないような気持ちがしましたが
三助さんが背中を流すという貴重な体験が出来たものでした。
先日あるところで隣あった人に背中を流してもらいますと、それが大層き
もちがよい。
「ちょいと強めで」なんて言いますと、ゴシゴシと背中を流してくれました
からサッパリできたものであります。
昔から多くの人が訪れるところで仕事をする人は人が練れていると申し
ますが、三助さんという商売も、客の背中を流しながら浮世の憂さまで
流したものでしょうね。
こんなことを書くと、ちょいと銭湯に行きたくなりました。
今夜あたり、久しぶりに行ってまいりますかね。
なじみの顔がいましたら背中にとりついてみまして、ちょいと返しても
もらいましょう。
三助に背中流され憂さ流れ、というところでございます。
2008年10月23日
文化と造形のガラモン

どの時代の文化も、爛熟する時代があり、そこには美しい造形や絵や唄が残さ
れているが文化とは進化してゆく運命にある。
どの文化も興りがあり、優れた作家、造形家などが集まりその才能を開花させ
てゆく、そして興りから広がり時期までが最も美しくなるものである。
そして広がりすぎればそのアイデアも尽き、新しいものに変わられるのである。
私たちは現代に蘇った恐竜というロマンを、ウルトラQに見出した。
そこに登場する恐竜は、新たに怪獣という名を持ち、自由奔放の進化を遂げて
ゆくのだけれど、アイデアも造形家も未知への挑戦として、あたらな生命を生み
出す情熱を持っていた時期の怪獣はどれも美しいのである。
ガラモンは、その後あまりにも多く生み出された怪獣の中で最も印象的な怪獣
である。(じつは宇宙人に操られたロボットではあるのだが)
あまりにも巨大なものを怖がる我々の恐怖の象徴にしてオリジナル、この形に
して巨大なる造形物、ダムや建物を破壊する。
それは全てのものが作り出され続けた高度成長期のアンチテーゼとして破壊
の象徴として誕生するのです。
ガラモンを愛した私たちは、あまりに巨大なガラモンを友人に選び、後に人間
大のピグモンを生み出した。
人は生み出すだけでなく、生んだものを愛しはじめて時代を熟成させてゆく。
みなさんはウルトラ怪獣たちを愛しただろうか。
初期ウルトラで生み出された怪獣たちが皆美しいのは、この生物たちが自由
な発想から生まれた私たちの憧れだったからだ。
(後のシリーズになるごとに、怪獣の造形はただの異形になっていったと記憶
する)
時々思い出したように書きたくなったら、またこの続きを書いてみたい。
未だに怪獣一の友人を選ぶならば、ガラモンなのである。
2008年10月11日
ねえムーミン

海外の古い挿絵ページを見ていたら懐かしいムーミンの原画挿絵を見つけた。
ムーミン原作フリークとしては見逃せません。
トーベ・ヤンソンが書いた本と挿絵ではムーミンは妖精に類するもので、以前に
読んだものでは電話帳くらいの大きさだという。
じつにフィンランドの電話帳の大きさを知りたいなどと思ったりする。
子供の頃から読む物語に描かれた挿絵が好きで、読みながら挿絵の世界を
散歩する。ムーミンに描かれた世界は独特の世界感があるのです。
ムーミンは永遠の少年で、その翻訳された言葉にも独特な言い回しが使われ
ています。
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2008年09月18日
トヨタから117クーペ

ハイブリッドカーの販売が好調のトヨタもガソリン高騰などの影響を受け、
”エコ替え”など販売路線を変更して月間販売台数を稼ぐ中、トヨタは9
月18日、新車需要の喚起を図る新たなるプロジェクトを発表した。
日本のモータリゼーションの発展する中、多くのメーカー間競争をして
勝ち上がったトヨタは従来からデザインでは劣ると言われておりました
が、欧米から広がったネオ・クラシック路線のデザインテイストを取り入
れたデザインカーへの参入が急務とされていた。
トヨタが発表したのは、日本の旧車と呼ばれて今もファンを多く持つ車
を再発売するというものだ。
トヨタだけに限らず、他メーカーの優れたデザインを買い、心臓である
エンジンやシャーシーにボディを乗せて作られるもの。
対象となるのは同社のモデルからはセリカリフトバック、カローラレビン
、他社からはいすゞ117クーペ、マツダコスモスポーツ、同ルーチェロー
タリークーペのデザインを既に取得済みとされている。
どのモデルも昭和40年代から50年代の名車として知られるがトヨタ
は同社モデル意外にはエンブレムもそのままに発売を予定する。
5モデルの製作台数はそれぞれ500台でトヨタ傘下の関東自動車工
業が製作を担当する。
購買対象を同モデル時代を懐かしく思う40代後半から60代までを
ターゲットとしている。
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などということが起こりませんかね。
2008年09月07日
福持ちの縁起

え~毎度三題話でございまして、高座芸のひとつで
ありましてお客様から一題づついただいたお題を入
れこみまして即興で噺をこさえる。
今回も同門のSEAESな二人の企みでございまして、
浜松泉町のつちや餅店の二代目からの出題でござい
ます。
今回は「大福」「すすき」「船」でございますが、
うまく噺ができますか、話はじめてまいります。
続きを読む
2008年08月27日
悋気の秋刀魚

え〜毎度おなじみ三題噺でございまして、落語の高座芸のひとつでありまし
て楽しんでいただこうという趣向でございます。
今回も一門であります「SEAESな二人」からの出題でございますが、このお
題を出していただいたのは”ぶん屋のお針箱”のあき姐さんでございます。
「即席」 「根気」 「焼き魚」と三題をいただきました。
さて今回はうまく噺せますか、はじめてまいります。
夫婦(めおと)なんて言葉がございまして、この夫婦がありませんと、私らも
生まれてきませんで、「め・お・と」なんて言葉はうれしいもんでございます。
今はいろんな形がありますが、結婚式をあげているうちはたくさんのお客さ
んに囲まれておりまして賑やかでありますから、本人たちも祭りみたいだ!
なんて思っておりますが、お開きになりまして人が「すっ」と退けまして、二
人きりになる。
間が持ちませんから、お茶でもいれまして「おまいさん」なんて嫁さんが呼
んでみる。
おまいさんの方も、なんだい「おまえ」なんて言う。
夫婦というものはよいものでございます。 続きを読む
2008年08月19日
大黒天ザクザクの宴

え~毎度おなじみ三題噺でございまして、落語の高座芸のひとつでありあして
楽しんでいただこうという趣向でございます。
今回も一門であります「SEAESな二人」からの出題でございますが、このお
題を出していただいたのは”きものと帯 大黒屋”さんでございます。
「月」 「稲穂」 「秋風」と三題をいただきました。
さて今回はうまく噺せますか、はじめてまいります。
月日が経つのは早い、なんて小話がございまして、ご存知でございましょうか
はいはい、答えを先に言ってはいけませんが、お日様とお月様と雷様が仲良
く旅をしておりまして旅籠に泊まります。
翌朝雷様が起きてみますと、お日様とお月様がいない、不思議に思いまして
宿の人に聞きますと、「月日がたつ(宿をたつ)のは早いものですよ」なんて言
われちまいまして、「雷様はどうされます」と聞かれますから、「俺は雷だから
夕立だ」なんて答える、こんなお話がございました。
さて雷様は夕立ですからゴロゴロと宿で寝ておりますと、一日違いで旅に出ま
した大黒様がやってまいります。
続きを読む
2008年08月17日
海賊船に鬼娘

え〜毎度おなじみ三題噺でありまして、寄席の高座芸のひとつで
あります。
高座からお客さんに三つの題をいただきまして即席のお噺をつくる
という遊びでございまして、私どもの一門「SEAESな二人」でお題
をいただきまして、遊ぼうという。
今回は浜松市のつちや餅店さんからのお題であります。
「ラム酒」、「スニーカー」、「宝くじ」ということにあいなりました。
果たしてうまく噺ができますかどうかはじめてみますよ。
続きを読む
2008年08月07日
黒船来港異聞

毎度おなじみ、三題噺の時間でございます。
三題噺は、いわゆる高座芸でありまして、お客さんから一題づつ
三題をいただきまして、即興で噺をこさえるという。
SEAESな二人でお題を募集しまして、頭の体操として愉しんで
いただきまして盛り上がろうっていう仕掛けでございます。
さて今回のお題は、前回に続きまして「ヒロさんの俳句でサイエン
ス」さんからいただきましたお題であります。
「英語塾」「清水の次郎長」「避暑」でありまして、なかなか難しい、
難しいってんなら、作っちまおうという性格のイチローであります。 続きを読む
2008年08月04日
地球侵略

え~ 毎度おなじみになりました三題噺でありまして、第6回にもなりますとおなじみ
なんて表現が使えますが、今回は私の20年来の友人にして”水処理の専門家”で
ありますヒロさん。
長く勤めまして部下を率いておりましたが、今年独立しまして会社を興しました。
研究家にして発明家、ここには長い研鑽と努力があります。
工場廃水を美しい水に変えてしまうことを生業(なりわい)にいたしておりますが、
臭い水を憎んでいるという、どうりで水臭くなく仕事でも我々仲間を巻き込んでいた
だいております。
さて、そんなヒロさんからの出題は「蝉」「浮草」「ラジオ体操」であります。
続きを読む
2008年08月01日
東海道暑中見舞い

え〜、またも三題噺でございまして、SEAESな二人から出されましたお題
は「東海道」「暑中見舞い」「夏休み」であります。
今回の出題はラップス殿でありまして、その名のとおりラッピングのお師匠
さんでありまして、なんでも包んでしまいます。
贈る人の心を包むんだそうで、今度なにか届きましたら見てみようなんて
ことを考えております。
え〜、そろそろ夏休みがはじまりまして、どこの路地でも子供たちが遊んで
おりますな。
今の子供は学校に通いまして、よいこと、わるいこと、まあいろいろ学んで
参りますが、江戸時代は幼い頃から奉公なんて苦労をいたしまして商家に
預けられる。
住み込みの奉公人たちは、毎年正月16日と7月16日の2日しか休みがもら
えない、そんな休みを薮入りと申しました。
いよいよ明日が薮入りとなりますと家に帰れるってんで楽しみで仕方があり
ません。 続きを読む
2008年07月29日
阿波の偉いお殿様

え~ 毎度ばかばかしいお噺でありまして、三題噺という。
今回のお題は、スクリーン、ビール、カブトムシであります。
今も昔もすざまじきは宮仕えでありまして気苦労が耐えないものでありま
すが、上に立つものが優れておれば家来も安心でありますが、そうでな
い場合もございます。
そこにはさまざまな泣き笑いがございました。
新しい土地に転地となりました殿さまが家来を前に話をしております。
「そのほうに聞く、ワシは偉いか?」
「へへーっ、代々立派な殿様でございまして家来一同感謝しておりまする」
「偉い殿様はどうすればよいのじゃ」 などと聞いております。
「殿は一番えらいのですから そこでそっくり返っていてください」
などと言いますから、ますます反り返り、後ろにひっくりかえったりしております。
そんな暢気な殿でありますが、戦いが始まれば総大将になって出陣となります。
「殿、殿、敵が攻めてまいりました ご準備を」
すわ一大事と思いきや、殿さま、そこは代々武家の一門であります。
すっくと立ちあがり、陣太鼓を打てぃ、法螺を吹き鳴らせぃと下地をいたします。
ところが、のんびりした殿には家来ものんびりしておりましてしばし戦乱もあり
ませんでしたから、太鼓も法螺も修理に出しておりましてございません。
家老は慌てまして、代わりのものを探させますと、城下はちょうど祭りであり
ましてそこから太鼓、笛、鉦などを城に呼びまして一安心をしております。
殿は仁王立ち、武者ぶるいをしまして戦況を見ておりますが、戦などは久しぶ
りですから心配でならない。
しきりに家来をつかまえては、「えらいか ワシはえらいか」とそんなことばかり
聞いております。
そんなことをしているうちに出陣の時は来まして、殿は出陣せよと采配を振るい
ます。
太鼓鳴らしませい!
待ち構えていたのは陣幕の向こうに控えておりました祭りの太鼓衆、ここが働
きどころと一斉に叩き出します。
「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ」
祭り衆には陣太鼓などはわかりませんから、祭りの太鼓と囃子をはじめます、
その賑やかなこと賑やかなこと。
「えらいか えらいか」と聞いて震えをとめているところに、「えらいやっちゃ、
えらいやっちゃ」とお囃子も激しく声を揃えられますから、殿さま、次第にその
気になってきた。
そのうちに、我慢できずに町の太鼓衆と共に踊りながら城から出ていってしま
います。
残れされて唖然としているのは家来たち、大将がカブトも無視して踊り出てし
まった。
攻めようにも守ろうにも大将がカブトも被らずに踊り下って来るような戦を敵も
見たことがありませんから、退却してしまったと言う。
殿も自分のえらさに敵が恐れをなしたと上機嫌で戻ってまいりまして町衆も
たくさんの褒美をもらって帰りましてめでたしめでたしとなりました。
「殿、戦勝おめでとうございます」
「おう、戦には町衆の太鼓と踊りに限るな」
それからの殿は、「阿波」が大好きになりました。
家来からも町衆からも「えらいやっちゃ」と敬われて、末永く踊り暮らしたそう
であります。
めでたし めでたし
2008年07月26日
バカ当たり

え~、またも三題噺でありまして、今回は氷、扇子、鰻だと言う。
なかなか夏らしいお題であります。
シャッシャッシャッ、冷凍庫から氷を取り出しまして氷屋のオヤジが
ノコギリで氷を切るのを見るのも夏の風物詩であります。
昔は夏になれば、町に氷屋がありまして、店でも売りますがリヤカー
に乗せ、ムシロを被せて配達にも来てくれましたな。
氷には一貫目ごとに切れ目が入っておりまして、「2貫目くんな」な
どと注文しますと、オヤジが切れ目にノミを当てまして「カツン」とハ
ンマーで叩いて割るという。
大きくてつべたくて透明な氷、家の中に置きますと見ているだけで
涼しい、子供らはこれをかいていただけますからうれしくてたまらない
なんて夏の風情がありましたな。
夏でありますから家の窓は全て開け放ちまして四方から風を入れま
すと涼しい。
小さなアブラムシぐらいから育てました鈴虫を鳴かせまして大人はビ
ールを、子供は父ちゃんからソラマメをもらいましてテレビを見るという
ような暮らし方をしております。
「お前、野球はどうなんだ」と子供に聞きますと、今日はホームランを
打ったという。毎朝早くから近所の広場で草野球をやっておりまして
じつは気になって仕方がない。
いつか将来、有名新聞社の旗を立てた黒塗りの車が路地に入ってま
いりまして「お宅の息子さんを我が球団に」などと言うことを親としては
夢みております。
センスだな、センス、プロの選手の当て方をテレビで見てこれだこれだ
と息子をつかまえて解説をしております。
「ソラマメをもっと食え」とオヤジ、息子に言いましてソラマメで息子を
育てようという、まあオヤジなんてぇものは自分じゃなにもできませ
ん、夢を託そうなんてソラマメが妙に好きな子供を見ている。
育て育てと消化が悪い豆を食わせて、氷まで食わせております。
そんなことをしてますから子供が腹をこわしまして熱を出したという。
こんな時に母親はいろいろ面倒をみますが、オヤジは何もすることも
ない、朝の野球も行きませんから夢が壊れちまう。
「なんか食いたいものはないのか」、なんてたまにやさしい言葉をか
けたりしております。
「鰻なんかどうだ、精がついていいぞ」なんて言いますとぐったりとし
ました息子はいらないと言う。
母親は「腹くだしに鰻を食わせたら、余計当たっちまうよ」なんてあき
れている。
それなんだ、もっと当てなくちゃあなんねぇ
腹くだしの息子に精の出る鰻を食わせるというオヤジ、鰻は全て裏に
向けろなんて言っております。
裏にしたカバ焼を食わせて、バカ当たりをさせたと言う。
無茶なオヤジのお話でありました。
チャンチャン
2008年07月23日
粗忽名主

え~毎度おなじみの三題噺でありまして今朝もお題をいただく。
身内が出したお題に身内がつけておりますが、この三題噺は三つのお題
が出されましたら、それを使って作る即興のお話であります。
頭の体操、なかなかひねりながらこさえております。
今朝は早くから藤枝に行きまして打ち合わせ、藤枝の郊外の住宅造成地
であります荒地におりまして休憩中に三題噺を考えた。
「休憩の荒野」
なぞと言っておりますがお題は饅頭、pafume オリンピックであります。
え~、今はテレビがありまして全国展開をする店が多くなりまして、都会も
田舎もなくなりましたが、ふた昔前なんてぇ時代には地方に行きますとな
かなか面白い勘違いもあったものであります。
「今度お江戸から偉い殿様が来るそうだ」
なんてことになりますと村中で集まってご馳走を作りまして歓迎する。
お江戸の殿様は供を連れ馬でやってまいります。
畑ばかりですが殿様は先ほどから妙な匂いに鼻をひくつかせております。
供も知らない匂いに、出会いました「第一村人」に 聞いてみますと、村人は
困った。
畑には鶏のフンを撒いて肥料にしておりますが、失礼があってはいけない
「田舎の香水と申します」
と答えますと殿様は感心しております。「田舎の香水は異なにおひなり」
さて、殿のご馳走が無事終わりますと、村の名物の餡ぐるみという菓子を
出した。
これを食して殿は大喜び、「饅頭うまいぞ 土産に持たせ」とのお申し付け
さて、村の衆は困った、餡ぐるみを万と十も持たせろと言われましたから、
大鍋で小豆を煮るもの、皮をこさえるものと手分けしまして餡ぐるみを作り
出しました。
一方、殿様はいつまで待っても土産が届きませんから帰ることもできませ
んが、庭の方で「まだ千を超えたばかりじゃ、がんばれ」と名主が先導し
ての大騒ぎが聞こえる。
面白いもんじゃわいと、祭りの準備かと眺めております。
大分時間はかかりましたが、名主が現れまして土産ができたと言う。
出てみれば、大八車に山と積んだ饅頭が待っていた。
殿様は田舎では饅頭を餡ぐるみと言うのを知らず、村の衆は大いに汗
をかいてしまった。
殿は素直に万と十を数だと思って土産に持たせた村の衆の実直さに感
心してしまいました。
「ときに、名主、この村の土産としてもうひとつ、田舎の香水を姫に持た
せてくれ」
名主大層こまりましたが、鶏フンの香りなら屁に近いに違いないと、袋
に一発、大きな屁をひりまして持たせることにした。
殿は大切に田舎の香水を姫に持ち帰りましたが、あけてみると臭いば
かり、頃は夏、すっかりすえてしまい、酸っぱい臭いになったと思ったそ
うであります。
名主さん、殿が帰った後、餡ぐるみを饅頭と言うのだとわかり、えらく恥
をかいてしまった。
次に殿が村にやってくると、名主は手ぬぐいをかぶっている。
殿が不思議がって、頭はどうしたと聞けば、申し訳なくて刈ってしまった
のだという。
「かまわん、とりまっせい」殿の命令にイガグリ頭を晒した名主。
「ごりん刈りでございます」
「時に名主、せんだっての田舎の香水はすえてすっぱくなっておったぞ」
「へい、さんか(参加)するのに意義がございます」
おあとがよろしいようで、チャンチキチャンチキデンデーン。



