2010年10月31日
月百姿に揺さぶられる

土曜の夜は「美の巨人」を見て知らぬ絵を見る。
金曜の「美の壷」と同じくテレビを楽しんでいる。
今夜は月岡芳年の「月百姿」、久しぶりに心を揺さぶられ
てしまった。絵師と絵との出会いはうれしいものである。
「名月や来てみよかしの ひたい際 深見自休」
巨漢の男 強力であり伊達であれどもじつは小心である。
頃は春を過ぎ、出てみれば月は雲の中、残念に思うまも
なく雲間から出でる月。
とたんに月に照らされて桜散り輝くをみれば不思議とも
思う。
月がなければ知らずに過ごすところを月に輝く散り桜を
知る。
この春に誂えし花の着物を羽織れども、月に輝く散り桜
夜に映えしは比べるもなし。
いかに力持てども夜を輝かせるほどの力などなし。
影を落とすほど照らすも、翳るも月まかせな夜。
男は我が小ささを知るのである。



