何世代?と聞かれたら間違いなくウルトラマン世代であり、怪獣の名前は今でも
覚えている。
なんともおどろおどろしいウルトラQにはじまり、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰
ってきたウルトラマンくらいまでがリアルに覚えている。
当時のアニメについて書かれたコラムを読んだことがあります。
アニメは娯楽だけではなく、必ず子供たちにある教えを含んで作られていた。
ゆえに楽しいだけでなく、当時から仲間の中でどう生きるべきか、環境問題など
寓話の部分を持っていた。
魔法のマコちゃんという漫画がありますが、社会派などと言われたものもあった
のです。
ウルトラシリーズを撮った実想寺監督の遺品が奥さまにより川崎市に寄贈された
そうです。
その中に「ジャミラ」の原画がありました。
アメリカがロケットを次々に打ち上げ、21世紀には宇宙で暮らすのだと夢見てい
た世界がウルトラマンの世界にはありました。
今よりもっと宇宙が近く、宇宙の星は私たちが到達するべき所だと思っていました。
その星に残された宇宙飛行士がその星の環境に順応してジャミラになってしまっ
たというドラマは子供ながらに怖い話でしたが、ありえそうだと想像したものでした。
悲しい宇宙飛行士のジャミラは宇宙開発の陰には幾多の犠牲もあるだろうという
啓示でした。
監督はそういうドラマをウルトラマンのストーリーの一つにしました。
お金ばかりを欲しがっているとカネゴンになってしまうのと同じく、子供たちにある
教えを与えていたのです。
今見てもジャミラは怖い、どんな開発にも被害者はいるという教えをおぼろげなが
らに知った子供の時代から怖いのです。
ウルトラマンを作った監督は娯楽や戦いだけの為にドラマを作らなかったのです。