灰黄緑はいきみどり

イチロー

2010年05月27日 09:15



ちょっと大きなエンジンの音を立ててチェーンソーが材木を
伐っていきます。
友人の家は広い敷地があり、贅沢なことに未だに薪を燃やし
て沸かす風呂を持っています。

日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦して
います。

建築現場や製材所からトラックいっぱいにもらってきた木材
を薪にして積んでおくのも趣味のうち、チェーンソーなど普
段見ることはありませんが、楽しそうに伐ってゆく。

ある日、別の友人が来て釜の中に灰が随分溜まっているのを
見て親切心で灰を全て掻き出してしまった。

その灰は肥料にもなるそうで、風呂のまわりの畑に蒔いてし
まったそうです。
風呂の持ち主の友人はガッカリ、溜まった灰は濾して火鉢の
中に入れようとしていたのだそうです。

親切心で釜をきれいにした友人は自慢顔、釜の持ち主は浮か
ぬ顔、さて二人の間に入ってどうしたものかと考えた。

沸かした風呂に男同士で入り、汗を流せばもとより親切心で
やったもの、また毎日風呂を焚き、あの木が燃える匂いの中
で風呂を楽しめるもの。

灰を蒔いた畑からは栄養いっぱいの作物も採れるのでしょう。
背中を流しあえば、さっぱりとそんな行き違いはどこかに流
れていってしまったのでありました。

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