消炭色けしずみいろ
冬の戸外から戻ればご馳走なのは暖かい炭火です。
日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦してい
ます。
うれしいことに、僕は暖かい炭火を知っています。
冬の寒い日に向かってもきっと真っ赤な炭を熾して待っていて
くれる山のお母さんがいるのです。
よく来てくれたね、とまずは炭を注ぎ足してくれる山のお母さ
んの店に座り、まずは手をあぶり顔をあぶりしているのです。
ごくたまにお店の仕舞い時間にいることがあります。
囲炉裏テーブルの炭は最後まで燃えています。お母さんは消炭
をいれる坪を持ってまわり、ひとつつつ入れていきます。
高くなった炭ですから、まだ燃えきらないものは次の日に繋ぐ
のです。
お父さんが亡くなり、お母さん一人になってしまい高い炭は買
えないからとパチンパチンと炭は弾けます。
その炭も坪に入って休めばまた新しい炭を熾せます。
元気になったお母さんのように暖かい炭、いつも元気な声を注
いでくれるお母さんが大好きです。
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