洗朱あらいしゅ

イチロー

2011年02月27日 09:31



かつて新しい住宅街として造られた街を久しぶりに歩いてみた。
そこには根付いた花木が春を待っていた。

日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦してい
ます。

朱だといえば鮮やかな朱(あか)を思い浮かべるのだが洗朱は
少しくすんだ落ち着いた色をみせている。

秋店舗があればここで店や事務所を開きたいと想像する。
ハコがあればよいだけでなく周りの環境までを借りたいとも
思う。

その秋店舗はイングリッシュガーデンに植えられているような
花木を持つ隣の店舗を持っている。
すっかりと根付いた花木が丹精にされていることを教えてくれ
る。そんな隣を見てここを借りたいとも思うのだ。

南向きのその店舗は一棟を三分割したひとつである。
南向きで寒かった土曜の朝にもたっぷりの陽が当たっている。
そこにこの花木を植えて丹精して育てた隣人を思うのである。

心ある隣人がいる、南向きのその花の横に木製の古いベンチを
置いて日向ぼっこする自分を想像した。

たのしいゾ、と空想は広がるのである。

イングリッシュガーデンの花木を持つ隣人はきっと紅茶を楽し
んでいる。ソーサーごとカップを持ち、見事にその中に紅茶を
満たす技を習慣にしている。

その紅茶をいただきそのベンチで陽を浴びて楽しむのである。
ま新しい朱はもう似合わない、少し洗いを経た朱が似合うのだ
と思う、そんな隣人ではないかと想像しているのだ。

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