とかしたミルク
秋ではなく、暖房にあたり、顔がポッポと暖かくなり、なんとなく目を閉じて眠ってしま
いたくなる時に思い出すのです。
「お部屋は北向き、くもりのガラス、うつろな目の色、とかしたミルク」
サトウハチローさんの”小さい秋みつけた”の歌詞の一部をそんな時思い出すのです。
冷たいミルクはお腹が痛くなるよと、鍋に入れて暖めてくれた母がカップに入れてくれ
た熱いミルクには皮が張っています。
ふぅーっとして口をつければ、唇に皮がついて飲みにくい。
それでも熱いミルクが欲しくて、沸かしてもらっては飲んでいたものでした。
とかしたミルクは、思いの中ではコンデンスミルクのようなねっとりとしたミルクです。
甘くてとろりとしたミルクを、そのまま飲んだことはありません。
でもきっとおいしいだろうなと想像していた。
寒い外から帰り、甘いミルクを温めてとろりとしたところをスプーンですくってなめる。
この歌は食べたことのない”とかしたミルク”の味の想像の歌なのです。
喫茶店に入って、メニューの中に「とかしたミルク」400円、なんて書いてあったらば
きっとたのんでしまうでしょう。
はたしてどういうものなのか、今でも飲んでみたいと思っているのです。
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