「in the ダウンタウン 街角には気の早い若者たち」
歌や曲の話を真夜中に書いてみる。そんなことを続けていた「
音楽夜話」もちょっと
筆が重くなったのは歌(歌詞)の一部に響いている自分がいたから、歌に歌われる
景色の一部に自分をなぞられていることに気づいたのです。
というわけで新しいカテゴリーは「お歌詞のかけら」としてみました。
これならば記憶の中にいくつものかけらが散らばっている。
ブログを書くのにあたり、書きやすいテーマを見つけるのが楽しみの広がりとなる
のです。
ちなみにこの歌詞は太田裕美さんの「南風」という歌の一節です。
ダウンタウンという響きが軽快なこの歌、ダウンタウンとはwikiってみますと「繁華街、
都心部、あるいは商業地区(オフィス街、ビジネス街)。→繁華街、中心業務地区)」
となる。アッパーではなく少しゴミゴミと猥雑ながらエネルギーを感ずる街ではないか。
そこには季節など待ちきれない若者がいるんだよと作詞家の松本隆は言うのです。
街は中心となる世代をどんどんと低くしてきた。今や若者たちのものとなっていますが、
街の歴史を積んできたのは過去の世代、今も変わらぬダウンタウンを歩けば私たちが
作ってきた街を見つけることができるのです。
街の一角をオトナたちが取り戻そうとしています。
多くのモールが郊外へ行き、それらは”シティ”などと呼ばれるようになりましたが、い
まだダウンタウンには歩く楽しみがある。
決してきれいな街ではないけれど、累々と人が積み重ねてきた街には発見がある。
街とは一気につくりあげられて公開されるものではなく、私たちが歩いて作ってゆくも
のなのです。
「in the radio」とラジオの天気予報がかかるシーンがありますが、車を停めてから歩く
街の天気予報を聴いている。
さわやかな風の中の街も素敵ならば、お気に入りの傘をデビューさせる雨の街も楽し
いものなのです。
心の若者には全天候な環境などはいりはしない。
街角の使いみちを知っていた私たちは今もダウンタウンを愛しているのです。