木綿のハンカチーフ
昭和51年3月1日に高校を卒業した僕は、卒業そうそう東京に出ることに
なった。じつに昔の話。
ちょうどそのとき流行していたのがこの歌
”
木綿のハンカチーフ”
わが青春のアイドル、舌ったらずな声で歌う太田裕美さんのこの歌には
「恋人よ 僕は旅立つ東へと向かう列車で」
と、浜松から東京に向かう僕のこと、そのままを歌ってくれているようで
感情が入った。
大学や就職で関東へ向かう人たちの移動がそろそろ始まる。
あの時、家で最後に家族が揃って食事をして、母さんが買ってくれた
スーツを着て、僕は浜松駅のホームに立った。
「はなやいだ町でスーツきた僕の 僕の写真を見てくれ」
木綿・・は会話方式の歌詞を用いるという松本隆先生の実験曲
「いいえ、草に寝転ぶあなたが好きだったの・・・」
東へと胸に夢いっぱいで旅立つ18の青年、そしてセオリーどおり汽車に
とりのこされる少女。
この時期の駅には3月のせつなさが、そこかしこに溢れている。
そんな時のために、サン・ラファエルのシェフと、花とラッピングのお話の
ラップスさんと3人で考えたのが”
3月のプルミエ”
もしよかったら、旅立つ人へのはなむけにお使い下さい。
そんな方がいらっしゃったらご紹介くださいね。
3月後半は、せつなさと、4月への夢がせめぎあって存在する時期です。
僕を乗せた汽車が走り出し、なつかしい浜松が遠くなりました。
やっぱり、僕は母さんのことを考えました。
そして次の瞬間、東京の夢に近づいていくことに気づきました。
いまは昔、30年前の浜松駅のことでした。
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