2000GT

イチロー

2008年04月03日 13:11



磐田のヤマハ発動機本社の隣には、ヤマハの製品、ヒストリー、企業活動を
展示説明するCP(コミュニケーション・プラザ)という建物があり、誰でもその
展示を見ることができます。

その一階にこの車、トヨタ2000GTがあります。
ご存知のとおり、トヨタとヤマハのエンジン技術、加工技術の集大成として
1967年に発表された車の一台が保存展示されています。

昨日は一階にある会見室でヤマハラグビー部の新入団選手の会見取材の
仕事があり、その後で2000GTに会うことができました。

伝説の車となった2000GTはもちろん運転したことはありませんが、決して
運転しやすい車ではないと聞く。
けれど、毎回会うたびに写真を何枚か撮ってしまうのは美しいからなのです。

1967年の車は現在の車から見ればとても小さいけれど、タイヤと同じ高さ
に座る車は極めて低い。

低いボンネットに収まるヤマハ製のエンジンより盛り上がるフェンダーの盛り
あがりはタイヤを収める為にあり、そのアーチより下、タイヤの中心あたりの
高さにシートがあるのです。

古典的なイギリスの小さなスポーツと同じ手法で低く押さえられたスタイル
は車好きを魅了するのです。

コミュニケーション・プラザに展示された金色塗装の2000GTは展示されて
いるだけでなく、あるイベントで実際に走っているという。

排気量が拡大され、エンジン出力も性能も、あらゆる装備も充実した車を手
に入れることができる今なお、トヨタ2000GTが魅力を失わないのは、古典
的な小さく低いスタイルを持っているから。

車の発達は先達である国のテクノロジーの模倣をしながら、美しいデザイン
をも模倣した。
模倣の中に、同じテイストを持ちながら美しいオリジナルデザインを持つもの
が生まれた。

オリジナルが我々に美しいと感じさせ、手招きをしてくれる。

乗る車と見る車があれば、2000GTはまさしく見る車の傑作の一台である。

肥大する欲求は車を大きく豪華にし、圧倒的な力を持たせた。
けれど、美しさとはそれに比例するばかりではない。

適度なボリュームと力、古典の美しさをよしとする分別も大切なのである。

ひざまづいて、低い位置から撮りたくなる車に年に数度の出会いをする。

きっと次回ここを訪れたら、またシャッターを押す自分がいると予想するのです。

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