SAABな婦人

イチロー

2009年05月15日 10:51



またあの婦人に会ってしまった。

などと書けば妙齢の婦人に胸をトキメかすのかと思われそうなのだが、婦人が
乗る車にトキメいているのである。

濃いシルバー、少し艶を失ったガンメタリックのボディのクラシックサーブ900S、
あの車は若者より我らの世代に似合う車の一台としてトキメいてしまう。
ずっしりと尻が重く、突き立ちながら横までまわりこんだフロントウインドウは
SAABが航空機メーカーでもあることからだと言う。

この車を走らせるのは決して若くはない婦人(失礼)なのだが、女性が選ぶ
車ではないから、家に置いてある車とみれば、まだ見ぬ旦那の趣味がわかる。
出社するには別の車で行く、その車の趣味も知りたいとも思ったりする。

じつはクラシックサーブが欲しいと思いながら、もう程度のよいものもなく、メン
テナンスも大変だと聞く。

車は一目ぼれして手にいれるタイプではない。
ちょっと魅力的な車を手にいれ、惚れなおしていき、よいところを見つけ出す
のがいいのだ。

ほう・・と意外な魅力を見つけたり、相方として一緒に旅をしたりしながら惚れ
てゆく、ずっと一緒にいたいなと思うようになる。

古い車はストーリーを持っている。その歴史を一つひとつ見つけ出して惚れて
ゆくものである。
若い魅力より、いろいろ”癖”がついたものがすばらしい。

いえいえ、クラシックサーブのお話ですよ。 手にいれてのってみたい。

デカイシートに座り、どこまでも「お前と行きたい」と思うのである。

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