塗りと蒔絵とみかん玉

イチロー

2009年12月21日 09:12



「塗りのが素敵ね、またお店に見に行くわ」

そんな場面に出合ったのは小間物屋ぶん屋が開催中の”春待ちの小間物展”で
ある。

ギャラリーRoundtableの光の中で目を落としたのは「塗りの簪(かんざし)に蒔絵」、
誂えとは一点物を指すのだが、ぶん屋は小間物屋、決して芸術品を扱うのではな
く職人に誂えさせる。ならば揃いなんてこともできるのである。

ぶん屋を立ち上げた頃、兄ぃ(ひとつ年上)は言った。

「ぶん屋好みって感じで店の物を揃えてぇんだ」、小間物屋は雑貨屋にあらず、今
風に言えば小物のセレクトショップになるところを、ぐっとこらえて誂え屋となる。
もちろん職人はぶん屋好みをこしらえる衆となる。



ぶん屋好みにしてイチロー好みでもあるのがこの”みかん玉”の簪であります。
旧き意匠だというのだが、このフクが盛り上がるみかん玉を言えば、「フクが盛り
あがり連なる」というのはいかがでしょうか。

正月にちょいと髪をまとめた女性にそっと挿してあげたいと思う(けなげな)男心
あり、挿した瞬間に福をあげたことになりはしまいか、などと考える。

小間物展はげに男たちが立ち寄る楽しさがあるところなのであります。

春待ちの小間物展は12/17(木)〜23(水)でありまして
am10:00〜pm17:00(最終日16:00)でございます。

新春の福を求める女性のどなたも、ちょいと粋なはからいで女房を喜ばせよう
なんてよい男もお寄りください。

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