添えば簪

イチロー

2008年04月25日 20:09



ご縁ありまして簪(かんざし)なんてものを見る機会を持っております。

浜松は山下町のぶん屋に通いはじめましてからですから、まだまだ浅いご縁
でございます。

蜻蛉(とんぼ)玉の根付を見せてもらっていると、「こんなものもあるぜ」と冷や
かし半分の惰客に見せてもらったのが、蜻蛉玉がついた簪でありました。

和服や浴衣なんてものには、もちろん似合いますが、じつは初めてつけてい
るところを見たのは、ぶん屋のあき姐さんが仕事帰りに挿していたところであ
ります。

長い髪をちょいとまとめましてうなじを出し、挿した簪というのは美しいもので、
男にはたまらない。

男がつけるものでないから、簪は見てどうだというものとなります。

世には効果な簪もありますが、ぶん屋の蜻蛉玉の簪なら1万円でおつりが
出ます。

まつりだ!まつりだ!なんて飛び出すのが浜松の男でありますが、女将さん
に言わせれば、「ほんとにバカなんだから」、なんて近所に言っております。

浜松の男は、まつりでバカなんて言われたら本望でありまして、へいちゃら
なわけですが、ここでまつり男は考えます。

まつりの金なんてえものは持っているだけ無くなっちまいますから、簪を買っ
ておきまして、女将さんに進呈しておく。

まつり女になってもらえば、いろいろと都合がよいわけでございます。

背中に「これくらいじゃあ、帳消しにはならないよっ!」なんて感謝のお言葉
を頂戴して今夜も会所通い。

極道な男でありましても、「あたしに似合うかと選んでくれたんだねぇ」なんて
夫婦であれば、そのくらいの心は通うわけでございます。

旦那がタコ男でありますれば、女将さんは揚げ女にしてしちまう。

夫婦和合で、立派に町内の初凧をあげようってぇ方法であります。 はい。

来年あたりは、初凧かい?

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