梅干殿下

イチロー

2011年01月21日 10:57



何が苦手かと言いますと、梅干であります。
できればオニギリの中に入っていてほしくないものでありまして
オカカだったりすると当たり!だと思ってしまいます。

母は梅干ファンでありまして、浜松は肴町まで出かけましてメル
カトール間渕さんの店で「南高梅」のつぶれ梅を買っております。

粒が大きい飴色になった南高梅をひと粒、あったかご飯に乗せま
して「食べると健康にいいよ」と母は言い、さらに「食べないと
遺言に書いちゃうよ」と脅すのであります。

「普通の梅干と違ってね塩辛くなくて甘みがあるのよ」

「種が小さくて食べるところが多いの」

「体によいことを習慣にしないとね」

母は誘惑とも脅しともつかない口ぶりでお鉢に取り分けた梅干
を乗せようとする。

息子抵抗するが、次第にその説得工作に抗えないようになるので
あります。

かくして2日目の梅干となりました。

南高梅はこんもりとそびえております。早くも口中は酸っぱい
唾液が湧いております。

そして母はついに息子のごはん山のてっぺんにつぶれ梅をのせる
ことに成功したのであります。

とろりと果肉をすくいとり、ご飯とともに口に入れれば酸っぱい
唾液ほどでもなく、南高梅は食べることができる。

習慣となるまではさらに修行は続くのです。

53歳にしてまだ母に教えられるものがあるのです。

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