雨の物語

カテゴリー │デキゴト路地



しばらく洗車していない車がボンネットに雨を染みさせている。

行き先のない煙草の煙が湿気と共にまとわりつき心まで湿気させてしまう。

厚くないルーフは停まる度に大粒のタタンタタンと叩く雨音を響かせています。
雨の物語という歌がありましたね。あの伊勢正三さんの唄ですよ。

雨の夜中に突然訪ねて来た子との恋のはじめに彼は予感を話していた。

叩いたそのドアには「とても哀しい物語」だと書いてあったのだと歌う。

高校時代は両親や友達など多くの傘にまもられていてロマンに聞こえた唄が、
今ではうっとうしく思えるのは哀しいと決めつけた心なのです。

一人では生きられない人生を哀しいのだと決めつけたのなら少女を愛してはい
けない。

そして物語の終わりはまた雨の中に彼女を放りだしてしまう。

雨とは心に降る雨、曇るのは一人ではなくなった心なのである。

パタンパタンとルーフを雨が叩き、暮れてゆく街を見ているのです

誰にでも雨の物語がある。
雨から守り暖かく包む物語だとドアに書いておかなくてはいけません。

少し寒い雨は心に降らしてはいけない、曇らせてもいけないのです。


同じカテゴリー(デキゴト路地)の記事
哲ちゃんとC-3PO
哲ちゃんとC-3PO(2011-02-16 19:17)

山の風花
山の風花(2011-01-30 22:15)

感謝のオレンジ
感謝のオレンジ(2011-01-25 13:59)

初子は六人
初子は六人(2011-01-23 13:39)

ネコとコンビニ
ネコとコンビニ(2011-01-18 00:18)


 
この記事へのコメント
今日から梅雨入りだ雨がシトシト降っている。
長雨だと思い出す事がある・・その名は岩さん「ガンさん」本名岩田さんである。

凧仲間である。残念ながら脳梗塞を患い右半身が不自由になった・・・しかしそれをも笑いにしてしまう豪気な人である。

何年前だったか!脳梗塞を患う前である。その日も長雨が降っていて一緒に車に乗っていた。いつまで雨が降るのかナ~と俺がつぶやく・・・?

そこで岩さんが真顔で一言・・・「空に水がなくなっちゃうぞ」

笑えた・・それから数十分笑い続けた今でも思い出すと笑える・・・!
Posted by もんたん at 2008年06月02日 20:45
もんたん、こんばんは、あまりに楽しいお話ですので別記事に立てさせていただきました。
もんたんの書く記事も読んでみたいです。今度ブログに挑戦されませんか
Posted by イチローイチロー at 2008年06月02日 22:00
ご無沙汰してます。m(__)m

雨の物語・・・
正やんが書き上げた哀しい曲を、イルカさんが見事に唄い上げていますよね。
イントロ、エンディングもかなり印象に残っています。
瀬尾一三さんの世界も素敵です。

曇りガラスに雨が滴る・・・ 今年もそんな時期が来ましたね。
Posted by 遠州森のビープロ at 2008年06月03日 01:25
ビープロです。

>瀬尾一三さんの世界も素敵です。

この曲のアレンジは、佐藤準さんでしたね。
失礼しました。m(__)m
Posted by 遠州森のビープロ at 2008年06月03日 01:30
森のビープロさん、久しぶりです。
素敵な歌ながら、かなしい恋の終わりはいけませんね。ハッピーエンドで結ばれるのがよい。
いかがでしょう、浮名を流していらっしゃいますか
Posted by イチローイチロー at 2008年06月04日 17:38
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
雨の物語
    コメント(5)