朝の赤

カテゴリー │花ばなしい

朝の赤

朝の目覚めの力づよさにも似た赤が咲いています。

どんなに疲れていても、ぐっすり眠れば回復する力を持っていた頃がありました。

朝の道を重い鞄を持ってどんどん歩いてゆく力を持っていた頃
全ては新しくて、自分もピカピカに新しくて、無限の時間を持っていた頃がありま
した。

朝は毎日違っていました。
夏の田んぼ道を歩いて行けば、チョロチョロとながれる水路には小さな生き物を
見つけることができました。

雨が振っても傘の下で何かを探して歩いていたのです。

子供の頃の友達は小さな生き物たちでした。 

キョロキョロした子供たちは季節が変わる一日を知っていました。 おたまじゃくし
が生まれたことも、手足が生えてカエルになった日のことも、セミがはじめて鳴い
た日のことも知っています。

セミが消え、草むらの下から真っ黒いコオロギが鳴きだす日も知っていました。

今は、花たちが友達です。
一年の中の一日を教えてくれる花は、小さな生き物よりゆっくり生きています。

朝になっても足りない元気は、真っ赤な花から足してもらうのです。

そして今年も咲いたねと再会を喜びあうのです。

種をまいたら花が咲く。

実になることを信じて私たちは生きているのです。


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