2008年09月28日12:08
浜松の南、江之島町の高校のすぐ東側の田んぼのお話です。
粋な衣装は緋鯉でござる、男一匹田んぼに立って、見事カラスや雀
に睨みをきかせやしょう。
名づけて江之島鯉太郎の兄さん、毎朝「お疲れ」と挨拶を交わして
いましたが、ちょいと忙しくして通らないうちに、黄金の田んぼは刈り
田となっていた。
兄さんのいた田んぼはスッキリと、向こうの畦まで見える秋の田んぼ
になっておりました。
それにしても、案山子界にもいろいろな御仁がおりますが、緋鯉の
着流しの兄さんは珍しい、いなくなって思いますが、今年の仕事も終
えて、今頃は豊年満作まつりでも待っていなさる頃ですかねえ。
こんなことなら、もうちょっと仲良くなっておきまして、江之島の衆の
まつりの時にでも訪ねたかったと思うんですよ。
「豊年だってねえ」 「いやいやおかげさんで」
「兄さん酒はいけるのかい?」
「酒が飲めないで米の面倒をみるかい」
「いいねえ、一杯やるかい」なんてことで一杯いただく、まつりとなれ
ば朝から朝酒がいただける。
なんてったって、朝からお酒をいただけるほどうれしいことはありま
せん。
鯉太郎兄さん、今頃は、納屋の片隅で米俵を背に一杯やっている
頃でしょうかねえ。
いえね、あっしも忙しい身でござんして、また来年お目にかかりたい
と思っておりやす。
兄さん、来年もあの衣装でお願いしますよ。またお会いしやしょう。
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カテゴリー │デキゴト路地
浜松の南、江之島町の高校のすぐ東側の田んぼのお話です。
粋な衣装は緋鯉でござる、男一匹田んぼに立って、見事カラスや雀
に睨みをきかせやしょう。
名づけて江之島鯉太郎の兄さん、毎朝「お疲れ」と挨拶を交わして
いましたが、ちょいと忙しくして通らないうちに、黄金の田んぼは刈り
田となっていた。
兄さんのいた田んぼはスッキリと、向こうの畦まで見える秋の田んぼ
になっておりました。
それにしても、案山子界にもいろいろな御仁がおりますが、緋鯉の
着流しの兄さんは珍しい、いなくなって思いますが、今年の仕事も終
えて、今頃は豊年満作まつりでも待っていなさる頃ですかねえ。
こんなことなら、もうちょっと仲良くなっておきまして、江之島の衆の
まつりの時にでも訪ねたかったと思うんですよ。
「豊年だってねえ」 「いやいやおかげさんで」
「兄さん酒はいけるのかい?」
「酒が飲めないで米の面倒をみるかい」
「いいねえ、一杯やるかい」なんてことで一杯いただく、まつりとなれ
ば朝から朝酒がいただける。
なんてったって、朝からお酒をいただけるほどうれしいことはありま
せん。
鯉太郎兄さん、今頃は、納屋の片隅で米俵を背に一杯やっている
頃でしょうかねえ。
いえね、あっしも忙しい身でござんして、また来年お目にかかりたい
と思っておりやす。
兄さん、来年もあの衣装でお願いしますよ。またお会いしやしょう。