空気の花

カテゴリー │花ばなしい

空気の花

コスモス揺れる中を走れば、季節のめぐりを感じて男だって少しはせつなく
なってくる。
コスモスとは秋の空気の中に咲いているのですから。

少し肌寒く感じる日陰から出ると、温かさを感じる陽射しはもうとっくに秋か
ら冬のものになっていて、温める喜びを感じている。
わずかの間とめていた車の中に戻れば、ムッとしていたはずの車はふわり
と温かい、暖というほどでないまでも、少しの温かさが欲しい頃になりました。

コスモスはここに咲いていますよと、群れていて、わずかの風にそよいでい
るのです。

細い細い首を風に揺らせて大きな花びらをささえたら、風にとても従順な花
が生まれてきたのです。

秋ですよう、もう寒さも里におりてきますようと、コスモスは告げています。

風が澄みはじめた深い秋の空気はコスモスたちの間にすきまなく吹き込ん
でいるのです。

秋ですよう、もう冬だって近いんですようとなびくコスモスたちはどこにでも
咲いていて、漏れることなく秋を伝えているのです。

ほらそこにも、ほらあそこにも、風になびいているのです。


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