川のゆりかご

カテゴリー │花ばなしい

川のゆりかご

馬込川にツイーッと二羽の鴨が遊ぶ。

岸沿いの駐車場に車を入れて川を覗きこむ。人は水があれば覗きこみ、何か
いないかと流れの中を見る。男の子は特にそんな習性を持っているのだ。

夏には松の陰になった水路で巨大な鯉を見てドキドキし、獲ってみたいと思っ
た。海辺の水路では大量のボラが遡上するのを見た。
そんなことを期待しても冬の川には何もいないのである。

ツイーッの鴨ははるか向こうに行ってしまい、カメラを持った手は手持ちぶさた
である。花も春を感ずる芽も見当たらず、葉を落とした木があるばかり、それで
も枝の先に真っ白なものを見つけてなごむのです。

卵かな、なにかが枝の先までいってつくりあげた真っ白なポンポンが風に揺れ
ています。他に何もないからこのポンポンだけが川の命なのでした。

ユラーリユラーリ、ヒュンヒュンと枝先は揺れ、白いポンポンが揺れています。

なにかの子のゆりかごが揺れています。


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