梅仰いで歩く

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梅仰いで歩く

まだ湿った木立を抜けると、芝の向こうに梅が見えてきます。

今朝までの雨がキラキラと蒸発するのが見えるような日差しの芝を行けば白と紅の
梅の下に行けるのです。

先に着いていた人も、カメラを持って歩く人も、ウォーキングの人たちも、公園の梅に
集まります。
少しだけ春の香りをかげる今日のぬるみの中に梅を訪ねているのです。

「紅梅」は今年から特別な花になりました。

一月に亡くなった伯母がお寺からつけていただいた戒名に「紅梅大姉」とつけていた
だいたのは、生前に春の寺を訪れた伯母がいつも紅梅を褒めていたからでした。

伯母の紅梅は白梅より先に咲きました。
遅れじと白梅が咲き始めていました。

少しぬるい風の中、「よくきたね」と伯母の花たちは迎えてくれたのでした。

伯母が愛した子供の一人は北関東に嫁いでいます。遠くても必ず会いに行くよと
紅梅たちはあちらでも咲きはじめるのでしょう。

伯母の声が聞こえるような枝の下、ぬくみの中に抱かれてきたのでした。

四十九日には必ず紅梅を持っていくからね。


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