2009年03月07日09:34

つまらない、つまらないと嘆く男がおりました。
春の日差しの中を歩き、全てがうまくいきそうな明るい日にも、嘆いてばかり
います。
「ほら、新しい芽だよ」と教えてみても、つまらないと言うのです。
「こんな小さい芽でも、えらい学者さんが名前をつけたんだろう」なんて嘆く
のです。
「君にも立派な名前があるじゃないか」
「僕なんか、名もない男さ」
「でも、ちゃんとこうして友達が一人いるってことだよ」
「そうか、君は僕の名前を知っているな」
「大切な友達だよ」
人は名もないなんて言いますが、花も木の芽も成長するこの春を一緒に
過ごしています。
人も芽もどちらも生きている。名前の大きさなど関係なく一緒に生きてい
るのです。
学者さんが知らなくても、ちゃんとしっかり生きているのです。
花よりずっと長く、毎年毎年、春を感じて生きているのです。
春の芽のエア≫
カテゴリー │花ばなしい

つまらない、つまらないと嘆く男がおりました。
春の日差しの中を歩き、全てがうまくいきそうな明るい日にも、嘆いてばかり
います。
「ほら、新しい芽だよ」と教えてみても、つまらないと言うのです。
「こんな小さい芽でも、えらい学者さんが名前をつけたんだろう」なんて嘆く
のです。
「君にも立派な名前があるじゃないか」
「僕なんか、名もない男さ」
「でも、ちゃんとこうして友達が一人いるってことだよ」
「そうか、君は僕の名前を知っているな」
「大切な友達だよ」
人は名もないなんて言いますが、花も木の芽も成長するこの春を一緒に
過ごしています。
人も芽もどちらも生きている。名前の大きさなど関係なく一緒に生きてい
るのです。
学者さんが知らなくても、ちゃんとしっかり生きているのです。
花よりずっと長く、毎年毎年、春を感じて生きているのです。