静かの朝

カテゴリー │花ばなしい

静かの朝

夏に向かって日が延びるのは夕方より、朝の喜びが大きい。

思いもよらず早起きして、まるで同じ場所とは思えないように空いている道を
走り、普段では停められないところに車を置く。

花壇のあるベンチに座って、まだ透明な空気の中に”居る”ことを感じるのです。

朝の活動をはじめる前の街は、まだ誰のものでもなく、秩序がありません。
普段通り過ぎるだけの街に降り立ち、歩いてみたり、座ってみたりすることが
できるのは、思いもよらず早起きした喜びなのです。

このまま時間が過ぎなければいいと、散歩する人は思います。
朝一番に見つけた花を独占して、眺めることもできるのです。

誰のものでもない、朝の静かを、独り占めしてみるのです。


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