イチロー的こころ（旧版）

浜北にお住まいの師匠大黒屋さんのブログで麦を見て出掛けた。　磐田を走ると
果たして麦畑を見つけた。

真っ暗な映画館の中に座り、映画が始まる前の予告編を見ていたと記憶している。
地平線まで続くような青い麦の畑の上を風が渡ってゆく。

”フレンズ”という映画の予告編の中に「南フランスの牧歌的な景色の中で・・・」と
いうような解説の中で麦畑のシーンがあったように記憶しているのです。

フレンズは話題の映画で、愛し合うまだ少年少女という年の二人が、反対する大
人から逃れて暮らし、やがて二人だけで子供を出産するという、当時はショッキング
に「性」を扱った映画でした。

このテーマは後に多く使われましたが、「フレンズ」を観に行こうという学生たちは
大人の束縛から解放されたいと思い出した私たち少年少女でした。

少し”気づき”はじめて大人への階段を自ら上ろうとする子供たち。
もう”観てはいけない”という”大人”の世界を知ろうとしていたのです。

どこまでも続く青い麦畑の上を風が走ってゆく。
後に観た”となりのトトロ”でメイが迷子になった夕暮れの田んぼの上を行くネコバ
スが行くシーンは、フレンズの予告編で観た景色を思い出させました。

そして３５年余り、今はフレンズを観たかどうかもあやしく、ただあの青い麦の上を
風が吹き渡るシーンのみを覚えている。

恋をした少年少女、一緒に暮らすために働きはじめる少年、やがて少女は妊娠を
知り、二人で子供を産もうと決めるのです。

そんな解説であったろうことだけを思い出している。