コスモスの恋

カテゴリー │花ばなしい



真っ黒い土にニンジンが顔を出している。海藻のようなその葉がニンジンの
ものだと知るのは子供の楽しみである。

畑の緑の海藻の葉陰に黄色と黒のだんだら縞の虫を見つけてゾッとする。
ニンジンの葉を食うアゲハ蝶の幼虫を見つけ、その色の激しさに驚いたこと
を今も覚えている。

コスモスの葉はニンジンのそれに似ている。ゆえに子供の頃はコスモスを見
ればアゲハの幼虫の姿がフラッシュバックして怯えていた。

コスモスは色薄いものが美しい、その首は細くたよりなくどんな風にも靡い
てしまう。
気づいてしまえば放っておけない気がする花である。
靡くなら我に靡けとその花を見れば風にクルクルて翻弄されているのを見る。

ゆえに放っておけないのである。

薄いピンクも白が風の中にいれば守りたいとだれもが思う花が咲いている。

思いもよらない緑の蕾から羽を広げるコスモスに恋する人は包容力がある人
である。


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