最後柿

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最後柿

「12月20頃までかな」

昨年から通う都田の柿農家の奥さんが言ったことを思い出し、
叔母の三回忌のあと母を誘って都田を目指した。

道路沿いに何軒かの柿農家が仮設の店を出すその道に目指す
柿農家があり、柿だらけだった店先にはみかんが積んである
のが目立つのです。

到着した店には先着のお客さんがみかんを選んでいる。
車から降りる前に柿農家の奥さんと目があうと、指を立てて
「シーッ」と内緒のサインをくれた。

「特別にとってあるのを分けてあげます」

先着のお客さんがいる間は母と一緒にみかんを選ぶふり、な
んとなくそのアイコンタクトがうれしくて待っている。

今年最後の柿は納屋の奥の籠の中、どうしてもと言うお客さ
んのために少量だけとってあるものを分けていただきました。

柿のなくなった食卓はさみしい。
あの晩秋だけの果物は食べてしまえばもう来年まで待つしか
ないのですから。

年季のはいった古テーブルに紅い柿、最近ではギザギザつき
のスプーンですくって食べるのがマイブームです。

「甘いね、甘いね」母と子は柿に思いがあるのです。

母の実家の柿もぎが子供の頃の年中行事だった頃、リュック
にいっぱいの柿を担いで帰ったものでした。

今年の柿も最後の何個になりました。

来年も母と一緒に都田へ行きましょう、親切にしてくれた柿
農家の奥さんに会いに行きましょう。

そして甘いね甘いねと一緒に食べましょう。


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この記事へのコメント
 おはようございます。

 次郎柿ですね、うちにも50本ぐらいありますが、最近は木が老齢化して、あまり生りません。
 私はイチローさんと逆に、良く熟れたのが苦手なので、シーズンは終わりました。
Posted by ちゆき at 2010年12月21日 09:01
ちゆきさん、こんばんは
家で柿もぎができるなんて素敵ですね。古い木には面白い柿がなる。
また柿もぎに誘ってください。
Posted by イチローイチロー at 2010年12月21日 18:41
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