イチロー的こころ（旧版）

仕事でもあるけれど本来海が好き、このところ毎日海辺にいる
から真っ黒に日焼けしてきた。
初夏を越えるような陽射しに麦わら帽子を被っている。

世界の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦してい
ます。

ストローとは麦わらのこと、私たちの世代ではストローハット
と言えば映画の思い出にも繋がる。
西条八十の詩が心に残っている。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでしょうね　ええ、夏、
碓氷から霧積へゆくみちで、谷底へ落としたあの麦わら帽子で
すよ。」

麦わら帽子は夏の匂いがするもので、夏休みに似合うものだ
からそれを被ればもう仕事より遊びの中にいるような気がする。

仕事なのか遊びなのかを考えるより先にまずは楽しんでみる。
楽しんでいる人を撮ってみる。
そこに海辺の楽しさや暮らし方を知るヒントがたくさん隠れて
いる。
それを見つけるのが楽しくて毎日海辺にいる。

時に船に乗せてもらいます。麦わら帽子にはあご紐がついてい
ますが船ではそれをしっかり結ぶことが大切です。
船が行けば風を受けやすい麦わら帽子はすぐに海に飛び込んで
いこうと羽を広げるのです。

麦わら帽子をかぶった真っ黒な顔、海辺の暮らし。
五十代の少年は海辺をまたビーチサンダルや長靴で歩いている。

鏡でみる顔はすっかり真っ黒となっている。
麦わら帽子がすっかり似合う顔になっている。