イチロー的こころ（旧版）

農業が見直され、さまざまな取り組みの中の有機栽培はよくテレ
ビなどでも紹介されている。

世界の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦しています。

土と語らいながら野菜を育てる、こんな土くさいものを私たちはま
た好んでいる。有機野菜などと聞けばちょっと賢い選択ではないか
と、まるで「ハイブリッドカー」のように歓迎する。

私たちは収穫物や漁獲物など、食べ物にそのストーリーを求めてい
る。産地の農家の顔写真などがついた野菜に「私が作りました」と
までシールが張られて、私たちはよきものを手に入れたと思うよう
になっている。

トレーサビリティという産地が辿れるというこのシステム、ますま
す盛んとなる。

農家のおじさんが土をちょいと舐めてみて、「うまい」などという。
土など甘いか辛いかは毎日舐めているプロにしかわからないだろう
けれど、あの姿を見て一度は、などとも思っている。

12月も半ばである。この季節は受験生にとって越えるべき壁の途中
の季節である。土を舐めるのは歓迎だが、砂を噛むような毎日はゴ
メンだと、私たちの次代の歌は言うのである。