カミナリの日

カテゴリー │デキゴト路地

カミナリの日

前日に最高気温を記録した空から、ポツンポツンと落ちだした雨は
グラウンドのまわりのメタセコイアの葉に雫となって光る。

イナビカリとは秋の収穫前の”稲光”と言うならば、田んぼの水が張られた
ばかりの頃はカミナリというのかな?

痛んだ腰を車からよいしょと出し、ぐぐっと腰を伸ばせばなんとか歩くこと
ができる。

昨日はヤマハ大久保グラウンドでラグビー部の公開練習の取材日。
腰痛は続くけれど、たくさんの選手へ応援のメッセージが届いている。

取材班はファンと選手を結ぶ郵便屋さんでもあるのです。

早く着きすぎた大久保グラウンドの、サッカー場とラグビー場の間の屋根
のある休息場で、サラサラと本格的に降り始めた雨の中、選手を待つ。

このところ、お祭りも含め精神的にもタイトだったから、こうして待つ時間
も心を落ち着かせる時間となり、雨がさらに慰めてくれる。

カメラを持っていても、選手がいなければ何もすることもない。
空の雲の切れ目を見て、これから荒れるのか、あがるのかをよい方にと
らえて、煙草を吸う。

大久保グラウンドを警備するガードマンさんが、丁寧にも練習の中止を
知らせに来てくれた。

たった三人の為に、ラグビー部からの伝言を届けてくれた。

雨の中、感謝した。

雨の荒れた天気、カミナリが鳴るような天気の中、選手たちが練習する
のを我々は望んではいなかった。

三人でほっとして、また駐車場へ戻り、ガードマンさんにお礼を言った。

グラウンドの入口には、20年もラグビー部を支え退団された山田部長が
教えてくれた「ニオイバンマツリ」の青と白の花が咲き始めていた。

雨の中、あの芳香をかぐことはできなかったけれど、26日からはじまる
春のオープン戦には満開でかぐわしい香りをファンに届けてくれるだろう。

大久保を支えてきた人たちの良心が香る。

僕らが車に乗り、大久保を出る時、入口のガードマンさんが丁寧に頭を
下げてくれた。
僕らも車の中から、ぺこりと頭を下げて通り過ぎた。

僕らは、ここがますます好きになった。
選手には会えなかったけれど、大久保を守る人たちとともにいた時間を
うれしいと思った。

ありがとう。また来ますね。


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