田螺の大陸

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田螺の大陸

サトイモは大きな葉を茂らせて水路の縁に育っていました。

大きな厚い葉の陰にはたくさんの虫たちが遊びましたし、日陰になった水の中には
小さな水の生き物たちが住んでおりました。

ヒラッと葉の根元からとれて、一枚の古いさといもの葉は一生を終えました。
一番先に広がった葉はとても大きかったのですが、若い葉に後はまかせて水に落ち
また土に戻ろうと思ったのでした。

水の上の葉はだんだん緑の色が抜けて土のようにやわらかな大きな大陸になりました。

そこには小さな田螺が乗っかっています。

どうして水の底の田螺が乗ったのでしょうね。それはわかりません。
田螺は大きな大陸を手に入れて大層自慢で住んでいます。

お腹がすいたら、大地はちょうど田螺に優しいやわらかさになっているのです。j

飽きちゃったら、また田螺は水の底、小さい小さい田螺でしたが、葉っぱのへりにいって
さかさまにトップンと落ちればよいのです。

仲間の魚たちはときどき浮き上がってきて、とてもうらやましがりました。
サトイモ大陸の王様は小さな田螺なのですからね。

これも浜松の郊外、有玉あたりの水路の水たまりのお話なのでした。


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