綿のお布団

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綿のお布団

「おくさーん、雨ですよ」

子供の頃住んでいた団地はご近所同士とても仲良くしていて、夕方になれば
たくさん作ったおかずが皿に盛られて行き来するようなご近所付き合いをして
いました。

雨が降ってくると最初に気づいたお母さんが隣近所に大声で知らせに歩きます。

「あら、大変」、洗濯物を取り込み、干していた布団を家に入れます。

買い物などで出かけていれば、隣近所が代わって洗濯ものを取り込んで預か
る。そんな助け合いもありました。

さやがポンと弾けて白い綿が誕生しました。
暖かいお布団に入れる綿の実がはじけて顔を出しています。

フワフワで真っ白な綿には種が入っているんですよ。

ちょうど雨が降ってきた日に見つけた綿の実でしたから思い出したのです。

「雨が降ってきましたよ~」

生まれたての綿は雨から守ってあげられませんでした。
きっと晴れたら、お布団を干すように、綿は暖かくフワフワに戻るでしょうか

「お布団を干してあげたからね」と母が言った日はフカフカ布団の香りで暖かく眠る
ことができました。

でもね。ときどきミツバチが入り込んでいて刺されたりもしたのです。

今も綿の実を摘んでフカフカなお布団を作っているのでしょうか。

今度晴れた日に、フカフカ布団のお日様の香りがするのか、かいでみましょうね。


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この記事へのコメント
コメントいたします。
秋が深まり寒くなって来ましたが、秋に温かさを授けてくれる自然を忘れてはいけませんね。
  母の真白なエプロンと同じ真白な綿、忘れませんよ母さん。
Posted by 大黒屋 at 2007年10月10日 08:56
大黒屋さん、コメントありがとうございます。
綿のやさしさはお母さんの優しさですね。ふかふかな太陽に
会いたくなります。いい香り感じたいですね。
Posted by イチローイチロー at 2007年10月10日 09:06
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    コメント(2)