ゆさりの秋

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ゆさりの秋

冷たい空気、そう思わせる透明な風の中、いつもの公園の実に会いに行きました。

ユサリと枝が揺れて黒い影が飛んでいったのは、きっと小鳥が実を啄ばみに来て
いたのでしょう。

昼間はメガネをかけないで歩くから、少し遠くが見えません。
ただ枝が、ユサユサと揺れほ、そしてまた空気は冷たくとまるのでした。

この実は赤いサンザシの実の隣にあるのです。
りんごのような熟れたサンザシは冷えの中で恐ろしいほどの深い赤になり、少し
苦手になりました。

目立たなかったこの実はポッと頬を染めた田舎の子のようで愛らしい。
日曜にお早うというのにぴったりです。

細い枝を足がかりに、鳥たちが降りてこようと高い枝でコーラス隊を作っています。

少しいじわるにこの実を独り占め、小首をかしげてチッと舌打ちする小鳥との距離
を楽しみました。

頬をそめる実はどちらにもよい顔をしようとまた一層頬を染めました。

透き通った空気の中にいる実は、とても性格のよい子たちでした。


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