イチロー的こころ（旧版）

「風に揺れる花を、あの人はきれいねと言った」

そんな歌いだしの歌があったように思い、歌いだしてはつながらないでいる。

ススキは寂しさの象徴のように言われるが、じつは光の中で銀に金にと輝くさまが
美しい。
秋の光は一日中ススキとともにあって、輝くその姿はどんな光も身にまとってまう。

きまぐれな風に吹かれた前髪のように、サラリ、ハラリと風をうけ、パラリと元に戻り、
また風にそよいでフワリと舞うのです。

深まる秋を感ずるならば、ひとつの花よりもススキがいい。

穂をだしたと言って気づき、長い穂が風にゆれるさまに秋を知り、月の光にシルエッ
トをかぶせて秋を知ればよいのです。

ススキはたくさんの花をつけた花穂なのです
白い綿毛をつけて空へ種を飛ばそうと、風と仲良くしているのです。

ススキが風にゆれたら、遠くにススキの子たちが旅立っているんだと思ってくださいね。