緑さらさら

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緑さらさら

昨日、徹夜明けで、一本取材を済ませて浜松に戻ると、コクンコクンと車のシート
で舟をこいでしまう。

いけない、いけないとしばしの休憩に、湯風景しおりを目指し、まだ午前中のお湯
に浸かった。

透明な湯の中に、疲れがとけていき、眠気は倍ほども襲ってきて、露天を目指し
いつもは混んでいて入りにくい壷湯に体を浸した。

外にある大きなメシ茶碗のような湯は一人用で、足を投げ出し、背をつければ丁度
よい大きさで木の湯口がシャラシャラと湯を常に満たしてくれる。
その湯口の際にタオルで枕をつくり、水の音の中に沈んだ。

目をつぶっていても、赤い太陽が見え、水はシャラシャラと頭の中に流れ込んでくる
午前の光は暑いほどでなく、顔にはねかえる湯をあびて眠気に溺れた。

かつてリラックス用のBGMのCDを借りてきて流していたことがありました。
事務所に流しておくと、確かに落ち着くのだけれど、時間の感覚が消えた。

ぶん屋さんが高山へ行ったと読み、別の友人が偶然ながら電話してきて、今、高山
近くにいるのだと言う。

「御岳でも行きたいな」、彼も温泉好きなのだ。

かつて伊豆を営業テリトリーとしていた商社マン時代、込み合う夕方を避けるという
もっともらしい理由をつけて、仕事を終えれば各地の旅館の湯を借りていた。
タオルを一本持ってフロントに行けば、案外応じてくれて湯を覚えた。

そろそろ、露天の湯から出した顔に冷たい風が当たる頃であります。

ラグビーシーズンとなり、週末は2月まで埋まってきている。腰と心の粘りで撮る写真
は時に温泉の癒しを欲するのだ。

いつの間にか茶碗風呂で寝ていて、よく溺れなかったものだと思った。
時間は一時間ほどたっていた。

我にかえると、シャラシャラはまだ続いていた。


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