イチロー的こころ（旧版）

夕焼けに誘われて浜松市と磐田市を分ける天竜川の河口に行きました。

浜松側の砂の侵食は中田島砂丘が小さくなったことでも知られていますが、河口に
近い堤防を走れば驚くほど海が迫っているのです。

河口を過ぎ、南へ向かうあたりはこんなにも海が近くにある。
のんびりと釣り人が並んでいますが、遠い海を見ていた頃を知っていれば、どれだけ
の砂が無くなったのかがわかる。
海が荒れたら、きっとこの堤防にさらに近づくのでしょう

浜松の子は海が珍しくはないけれど、松林の向こう側にある海を意識することはあり
ません。
いつもあの向こうには変わらぬ海が続いている。そんな風に思っています。

けれど、海は次第に砂を奪い、もうそこまで来てしまっているのです。

海に沈む夕焼けを見ながら、ザーッと寄せ返す波の音を聞いていると、少し怖いよう
に思えます。

海が砂を飲み込み、砂浜を奪ってゆく。浜松の子も少し考えてみなくてはなりません。