綿の誘惑

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綿の誘惑

秋のはじまりにはじけた綿の実はまだ次々と実をつけて育っています。

はじけて割れた実からは「冬にお使いなさい」と真っ白な棉が顔をのぞかせています。

棉がたっぷり入った布団の暖かさ、太陽を浴びた綿の布団の暖かさを私たちは知って
います。

昼間の暖かな太陽に干した布団の温かさがうれしい夜を連れてきてくれるのです。

「お布団干しておいたからね」

母が言えば、我々子供たちはうれしくて仕方がない、早く敷いてほっかりした暖かい
布団にもぐりこみ、太陽の香りを胸いっぱいに吸い、優しい暖かさの中に包まれるの
です。

寒い夜は布団の中で手足をまるめて温まるのに、干したばかりの布団は最初からほ
っかりと温かいのです。

今は軽い羽根の布団になりましたが、あの思い綿の布団の仕合せは、母の優しさそ
のものです。

お布団お布団、布団干し。

冬の太陽を閉じ込めて幸せの夜を迎えていましたね。


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