空気を染めて

カテゴリー │花ばなしい

空気を染めて

かつて樹木や花の名を覚えようと一年通った公園だから、どこに花がある
のかは知っています。

新しい年のポカリと暖かい日には、期待どおり芝の丘の向こうには梅の
花が咲いています。

水辺の向こうは土手になっていて、芝と池がある梅エリアは陽だまりに
なっているのです。

一番先に咲く梅は冷たい空気に色をつけてくれます。

なにもない冬の透き通る空気は、すっぽりと木々を詰めたい水に浸した
ように木々は縮こまり、真っ黒になって春を待つのです。

そこに白い梅、赤い梅が咲き出します。

とたんに空気は花の色に染まり、枝の間にはふわりと暖かさが溜まる。

梅の枝は空気をつかまえているのです。

東屋のおじいさんがぷかりとタバコをふかす、煙は梅の枝にふわりとか
かる。

タバコを出して、ニカリと笑い、隣に腰をおろしてプカリと吸う。

梅はそこで、ヒカリと遊んでいるのです。


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