ポピーの宇宙
「これってなんの花?」
花を撮るから詳しいと思われているのだが、調べもせず勝手に名前を
つけてしまうからいけない。
「ワイルドポピーさ」
ちょっとポピーを思わせる花と長い首、蕾はまたポピーに似ていて、わ
れながらよいネーミング、そしてこの花はワイルドポピーとなりました。
遠いとおい昔の営業マン時代、伊豆の修善寺の虹の里に営業に行き
ました。
ときはポピーの満開の時期、営業訪問はすぐに終っても、園内のポピー
の中に埋もれて座り、園内を走るオモチャのような鉄道が行くのを見て
いた。
花などという情緒を持たなかった営業マン時代、スーツ姿でアタッシュ
ケース、座ったベンチで「この花はなんですか」と聞いた。
ポピーだけは見間違えることがないのは、一面の幸せの中に埋もれた
あの午後があったからなのでした。
やわらかくふくらむポピー、金色の産毛の首の花たちはころころと風
に揺れていたのでした。
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