応援の力凌ぐ

イチロー

2010年12月20日 09:40



※練習場での辻井厚之選手

残り6分、27-33。

豊田自動織機は常に先行して得点しヤマハが追いすがる展開に
バックスタンドのヤマハ応援団は「きっと」と勝利を諦めるこ
とはありませんでした。

ヤマハはジャパンラグビートップリーグの後半戦、精神力の
チームとして戦っている。
第8節サニックスに31-30で勝利、第9節クボタに22-20で勝利、
前節コカコーラに26-27と惜敗のヤマハラグビー部は僅差で敗
れた。

残り6分もまた前3節と同じ、残るは心で勝る方が勝つ、選手も
スタンドの応援団も気をゆるめることなく戦いました。

トップリーグにはロスタイムはなく、試合終了時間はホーンの
音で知らされます。
ホーンが鳴れば続いているプレイが切れたところで終了となる。

残り6分が過ぎヤマハスタジアムにもこのホーンが鳴り響いた。

ヤマハは最後の攻撃に敵陣に突進する。
その攻撃には23番目の選手たち、会場の応援団が「ヤマハッ、
ヤマハッ、ヤマハッ、ヤマハッ、ヤマハッ」と選手を押し続け
る。

冬の冷たい空気の中で大声を出し続ければ叫びは痛みに変わり
ます。体を張って選手が進むならばその「ヤマハッ!」叫びも
前へ前へと進む、喉の痛み以上の大きな声が選手を前へ前へと
進めるのです。

「ホーン以後は切れたら終了」

とめどない攻撃、前進、「ヤマハッ、ヤマハッ」

敵陣前まで進んだヤマハの列から「ヤマハッ」の声で押された
14番が飛び出します。そして「トライ」

声も枯れよと応援したスタンドは「ワーッ」と立ち上がります。
それは選手と応援が最後まで「止まらずに」進み続けたトライ
でした。

最後まで切れない心は会場を一つにして選手を押し続け、辻井
選手の背を最後にドスンと前に進めました。

そしてその心は静まり五郎丸選手のGKを見つめる。
静かに静かになったスタジアムのポールに楕円球が吸い込まれ
ていった。33-32

ヤマハは応援を力にして進む選手たちが戦います。
その心強ければ選手たちは確実に前へ進んでいきます。

切れなければ止めなければ「ヤマハッ」の声はゴールに向かっ
て進み続けるのです。

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