ヤマハのハハハ

イチロー

2011年02月13日 09:49



トップリーグ入替戦、トップリーグ8年目の集大成の試合にヤマ
ハ発動機ジュビロはホームヤマハスタジアムに九州電力キュー
デンヴォルックスを迎えた。

昨日からの雨は午前中まで続く、ポンチョや雨具を用意するも
開場を待つ応援団を空は雲が切れ、やがてブルーの空は暖かい早
春の太陽を照らし始める。

バックスタンドに陣取る仲間には遥かアメリカから応援にかけつ
けた開幕時からの懐かしい応援団長もいる。丸山応援団長が紹介
してくれたホンダや近鉄の応援をする仲間もヤマハの応援に加わ
っていただいた。3896人は来期に繋ぐ応援を始めている。

美しい芝のスタジアムは8年前トップリーグ開幕と共にサッカー
との共用グラウンドとして名をジュビロ→ヤマハスタジアムと
改めラグビーを楽しむ地域のトップスタジアムとして活用されて
いる。
遠く九州からやってきたチームと応援団のみなさんにも雨あがり
の太陽は輝くようなベストコンディションが用意された。

試合は既報のように前半12-3とリードしたヤマハを猛追した九州
電力が12-10まで追いながらヤマハは振り切って勝利した。

おなじみヤマハの応援コールにはさまざまなものがあり、「GO
GO YAMAHA」や地域の祭りの練り声である「やいしょ やいしょ」
という押し声(スクラムやモールの場合)、「YAMAHA!YAMA
HA!」という連呼(ボールが繋がる攻撃)がある。

それは応援団長をはじめ誰かが始めれば全員が呼応する形ですす
められるのです。

このシーズンのヤマハ接戦が続きどの試合も応援団は選手を押す
声を緩める事はできない。
じつにホーンが鳴った後、プレイが切れるまで続く「YAMAHA!
YAMAHA!」を何試合も経験していた。

そして入替戦の後半の終了を告げるホーンの後も「YAMAHA!
YAMAHA!」は続いた。
もしそのコールを止めてしまったら、応援団は選手を押すことが
できない、だから胸いっぱいの願いをコールに託して叫び続ける
のです。

そして九州電力からボールを奪ったヤマハがプレイを切る。

ブルーの快晴になったヤマハスタジアムにあのフラッグが舞い上
がり応援席はみな抱き合って最後までフェアプレイで耐えた選手
とお互いを讃えたのです。

「YAMAHA」のコールには秘密があります。
どれも母音の「ア」からはじまるから「ア!ア!ア!」と叫ぶ
声は前に飛び出してゆく音となる。
応援団一人ひとりの声は小さくとも「YA」「MA」 「HA」と叫ぶ
音が選手の背をズンズンと押しているのです。

「胸がいてぇ」「喉が痛い」と抱き合って喜ぶ仲間が言う。

声で選手を押し続け、決して止めることも諦めることもなかった
応援団は確かに一緒に戦っていたのです。

そしてヤマハはトップリーグの9期目に向かう。

試合後、1時間遅れで入替戦を行ったNTTコムの試合結果を携帯で
確認した。
ヤマハから移籍しこの試合に出場した木曽一、石神勝、小林訓也
選手らも同じ試合に勝利した。

うれしくてヤマハ時代から応援仲間、ラグビーを通じて一生の友
となった石神選手のお父様に電話をした。

「おめでとう!」と開口一番で言い合う仲間がそこにいた。

ラグビーの楽しさは観戦ではなく参加の楽しみだ。来期もラグビ
ー仲間と「ハハハ」と前に声を出して戦う。
ヤマハスタジアムの空は青く輝いて広がっていた。

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