哲ちゃんとC-3PO

イチロー

2011年02月16日 19:17



短髪にしていると月に一回の散髪は欠かせない。
今月は随分さぼって髪がボサボサになりたまらずに哲ちゃんの
ところに向かった。連尺のBOSSこと長谷川理容の哲ちゃんの
前に座るのは毎回の楽しみだ。

昨日一昨日の連休明けで店は繁盛している。
馴染みのお店が繁盛している待ち時間とはなんだかうれしくて
待ち時間には哲ちゃんお勧めの雑誌を読む。

ダッズ(DAD'S)スタイルを紹介する雑誌は大人の雑誌だ。
渋目の大人のライフスタイルを紹介するその雑誌には小さな写
真がたくさんあり、こだわりを読むことができる。

大人とはどこかにこだわるものだね、と哲ちゃんと話しがはず
む、ひけらかすこともなくさりとて飾るだけではない大人のス
タイルというものがある。

履きこんで傷だらけながらメンテナンスされているブーツがあ
る。服のように古い車を纏うライフスタイルがある。
靴、時計、鞄の男の三種の神器のほかにも、大切に使い続ける
ものがそれぞれにある。

いずれも使い持つ上でのこだわりがあれば、それがダッズとい
う渋い大人になれる。その上で自分のスタイルとして自慢する
ものでもないのである。

代々使い続けられた道具がある。
丸い頭を持つその道具はバリカンを吊るしておけ、電源を供給
するものである。

鋏であったりコームであったり理髪店には使い続けるプロの道
具が並ぶ。
置いてぶつけたりすればその繊細なプロの道具は簡単に傷んで
しまう。
ゆえに大切に吊るしておくのです。

新しい道具より使いこんだ道具をメンテナンスして使う。
何度も握る指がさわる部分が磨かれて光るような道具となる。

春のような陽気に午前中の店が混む。
哲ちゃんのお父さんもお母さんも出て手際よく散髪し髭をそり
してくれる。

こだわりの多い哲ちゃんとその本で自分まで渋くなれたように
錯覚して店を出るのです。

自分のスタイルを持てば男はそれで完成する。
同じようなこだわりをどこかに持つ男と認め合うことができる。

連尺通りは春の陽気の中にある。

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