お米の命

イチロー

2007年09月08日 19:20



「兄ちゃん帽子はぴったりだよ」

「そうかー、よかったな」

「けどな、兄ちゃんのTシャツはでっかすぎるよ」

「いいんだ、そのうちお前がデッカクなるよ」

そんなことを言いながら黄金に実る稲の中に弟カカシと兄カカシが立っています。

「俺たちはスズメから米をまもるんだぞ」

「なんか、カッコイイナア、兄ちゃん」

遠くには麦わら帽子の父ちゃんも、日除け帽の母ちゃんも、ちょっと派手な姉ちゃ
んもいるのだけれど、元気な二人の受け持ち範囲はとても広いのです。

「だまってちゃ、だめだぞ」と兄さんカカシが言います。

「そうかあ、それでスズメがやってくるんだな」弟カカシは懸命に考えます。

「!!兄ちゃん見てて!」

「命」

「わははははは」、兄さんカカシが笑います。負けずに弟カカシも笑います。

「チチチチチチチ」、電線に一列にとまっているスズメたちも一斉に笑ったのでした。

これはね、浜松の浅田の南あたりの田んぼのお話でしたよ。

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