イチロー的こころ（旧版）

柳通りから六間道路を通り過ぎようとして、クイッとハンドルを切ったのは、麺
に引き付けられたから、おなじみの立ち食い、姫そばに立ち寄ります。

ガラリと引戸を開ければカウンターの向こうのおばちゃんが「いらっしゃい」と
迎えてくれまして、券売機でチケットを買う。

カウンターにチケットを出せば、そばがすぐに出てまいります。
濃い目のつゆが煮たつ香り、てんぷらの油の匂いがしているのが立ち食い
好きにはそそるのであります。

今日はきし麺でツルッとお昼をいただきます。

ここに寄るのはもう一つの楽しみがありまして、ビッグコミックオリジナルという
漫画雑誌がカウンターの下に置いてあります。

ご存知でしょうか、浅草の和菓子屋の職人安藤奈津さん、略してあんどーなつ
がみんなの励ましを受けながら一人前の職人を目指して修行する話。

玄米先生という大学の先生が野菜や米、漬物などを通じて正しい食事をすす
める話。

もう一つ、山で遭難する人を助ける「岳」、どれも心にズシンときながらも優しい
心になるお話です。

じつはある食堂通いをはじめるまで漫画に縁がなく、じつは正直漫画なんてと
思っていたのですが、それが違う。

漫画を読みながら励まされ、力が湧いてきたり、素直な気持ちになれたりする
のです。

ツルツルッ、バサバサッと食べ、読み終わりましてお昼も終了。

「おばちゃん、ごちそうさん」

（あちらは、おじさんありがとうと思ってるだろうな）