イチロー的こころ（旧版）

「外人の人はカツブシ食べられないのよ」

男どもがザッとのっけて踊りだしたカツブシを見て、あき姐さんが言う。

「アラーイブ！（生きてる　なんて言ってこわがるの、おかしいでしょう」

なるほど、こっちはカツブシ踊りが始まればワクワクしちまいますが、アチラの
人には怖い対象となる。面白いものであります。

ぶん屋さんがキャベツをザッとみじんにしまして、小麦粉に山芋を入れたネタ
をガッとかき混ぜまして、ドッと乗せれば鉄板の上でジューーーッ

これにカツブシを乗せますと、二階からトントントントンと走り降りてくる音が・・
しませんがもう一人の姐さんが様子を伺いにまいります。

さっきから、やかましいんだよ　おまいたち　と思っているのかどうかカツブシ
踊れば姐さんも踊るというわけでございまして酷なことをやっている。



小鉢が配られまして”お多福お好み焼きソース”が入りましたところで、一味
が出てまいりまして、サッと投入されるかとおもいきや、ドッドドッと山のように
投入されるわけでございます。

「さあ、食った食った」と焼けたお好み焼きに、ヒリヒリソースをつけていただき
ます。

一口、ヒーッ、二口、ヒーッなんて熱いやら辛いやらでハフハフしておりますと

はいっとタオルを姐さんが渡してくれる。

唐辛子に異常に反応してしまうあたしは、既に汗がしたたり落ちております。
（そんなにまでして食うか）

カツブシは勝つ武士ですなあ、踊ってますなあ、アラエッサッサーなどと踊り
ながら騒いでおります。



あたしのぶんはどうなんだい

姐さんは目を丸くしてあきれておりました。

おじさんにお好み焼き、猫姐さんにはカツブシというお話でありました。