イチロー的こころ（旧版）

浜松まつりの初凧には、家紋と初子の名前を書く扇面がついています。

「凧場」と呼ばれる中田島の凧揚げ会場の主役は、まつり男や女たちでは
なく、初子さまの分身である初凧なのです。

五月三、四、五日に開催される浜松まつりは、初凧を揚げて祝うまつりです
から全てに優先し、自町だけでなく他町の初凧にも敬意を払うことがまつり
の基本です。

各町は町内で祝う何枚もの初凧を持っていますから三日はほぼどの町でも
初凧揚げを行っています。
多い町は四日、五日にも初凧を揚げていますから、立派に揚げる為に、揚
げる空、糸を引き、出す場所を確保し、速やかに揚げることも大切なことです。

凧場に初凧が見事に揚がり、初子さま、初家さまが担がれてラッパ太鼓が
鳴り、万歳をするのを何度も見ることができます。

１７２町が競う空は凧と揚げ糸が交錯してラッシュそのものです。
揚がった凧は時に他町の糸とからめて合戦も行います。

まつりの華の初凧が美しく、高く遠くまで揚がるように各町はしのぎを削って
努力するのです。

美しい初凧は皐月の空に咲いた華。

あと二週間で１７２の華が咲き競う五月がやってきます。