イチロー的こころ（旧版）

浜北へ向かう道すがら、下石田あたりの懐かしい川を通りました。

子供の頃に住んでいた団地には水路があり、小学生の釣り好きの釣り場となって
いました。

学校からの帰り道、何でも売っている雑貨屋でウキを買い、母に蒸かしてもらった
イモを練って釣り場の淀みのあるポイントを我先にと急いだものでした。

いつものポイントに座り、対岸で釣る仲間の前でググッと吊り上げるフナは銀色の
フナばかりでしたが、年上の子たちから秘密のポイントの話を聞いていたのです。

それが安間川のポイントでした。
農業水路の溜まる深い淵になっているところには、金色に光るフナが棲んでおり
ました。

深い淵からキラリと金色が光り、草の土手に座って初めてのポイントに竿を出す
のです。

キラリと体高の高いキンブナがウキを沈めたらバンザイしたいような気持ちになった
ものでした。

フナ釣りを見かけなくなりましたが、のどかな田んぼと水路の香りをかぎながら、
練ったイモと、農家の堆肥などから掘り起こしたミミズを持って草の土手に行った
頃を思い出しました。

明日は、浜名湖で船の上の予定です。

釣りの思い出はこのキンブナで途切れているのです。

今もキラリと水を光らせるキンブナは棲んでいるのでしょうか