イチロー的こころ（旧版）

大水が出て川が溢れるほどに流れると、中州にある大きな木が流されてゆく

運のよい木はまた下の中洲で枝を伸ばし、今度は流されないように根を張っ
て育つのです。

天竜川の河川敷には整備された公園が多くありますが、これらの木を見る
度にどこか上の川縁から流されてきたのだろうと想像するのです。

木登り、川遊び、大きな枝ぶりがよい木を見れば、少年は登れるだろうか
と想像します。
この枝によじ登り、次に足をかけ手を伸ばして上へ上へと登る。

太い幹、ザラザラとした木の肌は少年時代の友達です、サラサラと流れてゆ
く天竜川の茂みは冒険の場所でした。

川に吹く風は少年の旅の匂いがしています。
許されるなら、川を下るイカダをつくり、流れて行き、川の真ん中の無人島へ
行って暮らす。
ハックルベリー・フィンの夢を持っているのです。

ずっと昔にカヌーで川を漕ぎ下る本に夢中になりました。

大きな川を川の流れにまかせて下って行き、気に入った中州や岸に着けな
がら魚を釣り、キャンプをして行くのです。

川辺の大きな木の二又になった太い枝の上はそういう冒険旅をする基地と
なるのです。

どんな食料を積み、仲間の誰を誘って冒険に行こうか

できればトム・ソーヤーや、ハックルベリー・フィンがいたらいいですね。