カナリアンアイランド

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カナリアンアイランド

「壊れかけたワーゲンのボンネットに腰掛けて」

カナリア諸島にての冒頭の歌詞である。

我らの世代は、ワーゲンが海に似合うことを知っている、そう雑誌POPEYEは
教えたし、実際にワーゲンはボロボロでも海には似合った。

洗いざらしのジーンズとサンダルで海に遊ぶ姿が、ワーゲンでつくる憧れのア
メリカ風のライフスタイルでしたね。

あの頃から25年、発売されたNEWワーゲンも10周年を迎えるという。

気になりながらも、子供や家族だったり、仕事や責任だったりの時代には海
は一気に遠ざかり、クローズドの車に乗っては忙しいふりをする。

それでも、海の風を受けて暮らすことは心の片隅にプリントされているのです。

同じワーゲンのある景色を書いても、大滝詠一の歌詞を書いた松本隆は空気
までを表現できる。

壊れかけたワーゲンで、「とてもきれいだよ」と彼女に話しかけていたり、降る
雨がスミレ色だったり、風が動かないことを伝える。

旧も新もワーゲンは、ステアリングのムコウに小さな一輪挿しを備えている。

物言わぬ花を一輪挿してドライブしましょうというのは果たして生みの親ジャー
マンの心か、それとも好んでアメリカのものとした洒落ものの心なのか

物言わぬものに癒される、現代こそ、こういうものが必要である。
ペットは飼い主と親子になって心通わせる、が、話すことはない。

一方的に話しかけて、じっと目を見れば、私たちはたちまち優しい心になるこ
とができる。

野辺の花を一輪いただいて、一輪挿しに挿し、一緒にドライブするのである。

朝のコラム、花ばなしいも、こういう車があればもっと優しくなれるはず。

などと目をあげて癒しの車が遠いものか、それとも近い将来のものなのかと
少々老眼になった青年は見ているのである。


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この記事へのコメント
記事のタイトルを見ただけで!と思いました。「A LONG VACATION」のLP(!)持っています。永井博さんのイラストの表紙のあのLPは見ただけでわくわくしたのを覚えています。
オホーツクに吹く風にもまた別の良さはありますが、北海道には吹かない風を伝えてくれたのを思い出します。
Posted by at 2008年05月25日 11:31
同じ世代、惑さんも聞いていらっしゃったんですね。
現在構築中の浜名湖ベースはこんな色にしたいと思っています。いつかお来しくださいね
Posted by イチローイチロー at 2008年05月27日 09:13
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    コメント(2)