簪買うを見た

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簪買うを見た

簪、なんて言いますと誰が挿すんだいなんて言われてしまいますが、ちょいと
和風なことというのは、日常には多いものであります。

例えばまつり、たまには浴衣なども着ますと、足元は下駄や草履になりまし
て、バッグも洋服のものじゃあいけないということになる。

和なるものを一通り揃えるのも大変でありますが、なにも祭りでなくとも、どこ
かに和を”醸す”ことを日ごろから愉しむのも楽しいんじゃないかと

今朝は簪は男が買うもんだと言う乱暴な話であります。

簪の話を書こうと思いまして、簪が登場する表題の歌を思い出した。

「南国土佐を後にして」の一節でありますが、ひもとこうと思いますと、さすが
商売でありまして、ぶん屋が既に書いていた。

坊さん簪買うを見た(ぶん屋)」

こっちの話も長いのに、ぶん屋の話↑まで読んじゃあ長くして仕方ありませ
んが興味のある方はどうぞ

簪、っていうのはもちろん髪を長く伸ばしました女性が使うものでありますが、
坊さんが買うくらいのものでありまして、男(ども)がみつくろうものでもあります。

時々、花などを買おうかなんて思いつきまして花屋に行きますと

「プレゼントですか」 「はい」なんて答えますが、あちらはどんな用向きで何歳
の人に渡すんだなんて聞いてまいります。

まあ、、聞かなけりゃ花屋も作りようがないってんで詳しく聞かれるのも恥ずか
しいもんでありますが、76歳の母に・・・なんて言いますと花もそういうものに
なります。

ここは正直に話さなければいけませんな。

簪買うを見た

ぶん屋に参りますと、狭い店でありますが、商品は並んでおりません。

時々店を覗きに来た方が、ショーウインドウに並んでいるんじゃないか、なん
て思うようですが、ぶん屋は商品を箪笥に納めている。

前を通っただけじゃあ、見ることはできません。

これこれ、こういう人に、こんな風に贈りたいんだが、どうだ!

なんて言いますと、お客には妙に愛想がいいぶん屋が抽斗(ひきだし)を
開けまして、「こんなのはどうです」と何本かをみつくろって出してくる。

簪についた蜻蛉玉は季節に合わせまして作られておりまして、旬なもの
からちょいと先まで揃えてありまして、大きさや形もさまざまであります。

出てまいりました簪を持っては、目を遠くに泳がせまして「似合うかな、こ
っちかな」なんて男性は迷う、相談相手はぶん屋であります。

贈りものというのは、この「迷いながら見立てる」のが愛情となりまして、
喜んでいただけるものであります。

「○○さん簪買うを見た」、なんてのも言われてみたいものであります。

蜻蛉玉の簪なら普段使いでちょいと挿す、ちょいと変わっておりまして、
贈ります女性の和なる部分を見てみたいなんて方にもおすすめです。

さていかがでしょうか、ぶん屋は木曜から日曜の午後の開店でござい
ます。

ご贔屓に願います。ついでに

-Ichiro-on Business------------------------
SEAESな二人もよろしくお願いします
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