イチロー的こころ（旧版）

夕方に銭湯でサッパリ。
日本の正しい夏の情緒なのでありますが、夏休み時期はちょいとビックリ。
入ると高校生くらいの少年二人が脱衣所で大声で騒ぐ、親らしいのはニヤリニヤリ、続いて今風の関西弁兄ちゃん三人登場。
タオルを買っているが、バスタオルがないの？などと言う。
番台のおじちゃん親切に貸しタオルを10円で貸すと、10円かよ！とせせら笑い、浴槽が一つだよと笑いあう。あげくは地元のじいちゃん達がくつろぐ湯船に、いきなり腰タオルで入るご乱行。
脱衣所から見ていても、ちょいと度を越している。
一人の兄ちゃん濡れた体で脱衣所に出て来て、トイレどこ？と聞く。
外だと番台が言えば、裸で出ていこうとする。
番台、タオルを差し出すと腰に巻き、裸足で出ていった。
さすがにその足で上がられてはと番台、タオルで足裏を拭けという。

銭湯は公共の場、ましてや清潔な場所。
何も言えないのもくやしいが、ちょいとイマドキは頭を疑うのだ。
外は今夜の花火を予告する空打ちの音が響く。
我の心も爆発せんばかり。イマドキ君たちの揃って出したヴィトンの財布、ブランドを持つ前にわが身と心に常識を持て、何も持たない我なれど裸になる場所で恥ずかしきことなし。

こんな銭湯でも知らない同士が挨拶しあって楽しむところなのだ。
文化は人なり、ちょっと寒い湯のれんを出てきたのでありました。