イチロー的こころ（旧版）

味噌汁に玉子をポトリ、どのくらいでお玉ですくいあげるかが微妙なタイミング。
黄身に白い膜がかかるほどで、ご飯にのっけてもらいます。

こんもりご飯に膜の張った玉子、その膜を箸で取り除くのは精密な外科手術に
似ておりますが、ブラックジャック化した腹へり男は躊躇なく取り組み、やがて
プルンとした黄身を取り出すのです。

「見事なり」

ご飯の上の玉子、ここにすかさずショーユをまわしかけてしまいます。

それも玉子の周囲まで故意とは思わせないスピードで「サラリ」とかけてしま
う。これはやがて来る玉子ご飯のうまさの下ごしらえとなるのです。

「見事なり」と感心していてはせっかくのご飯が冷めてしまいます。　朝起きて
から味噌汁と炊きたてご飯のよき香りに包まれておりますから、男は我慢の
限界になります。

そこでそっと箸で玉子を「プチン」と割って”少しかたまり玉子ごはん”を始める
のです。

少しかたまりとご飯ショーユ層を一緒にもちあげて「パクリ！」

今朝も大満足の玉子男は至福の瞬間を迎えたのでした。

ごちそうさまでした。